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  1. 鳥取県議会 2011-02-01
    平成23年2月定例会(第2号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(小谷茂君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。  これより、代表質問を行っていただきます。  26番山口享議員 ◯26番(山口享君)(登壇、拍手)おはようございます。  私は、2月定例会に当たりまして、県議会自由民主党を代表いたしまして代表質問を行いますので、まず知事、教育長、警察本部長に明快な答弁をまず求めます。  ところで、年末恒例の1年間の世相をあらわす漢字の一文字に、京都・清水寺の森貫主の筆によりますと、昨年は「暑」が選ばれました。確かに昨年を振り返ってみますと、夏の記録的な猛暑、そして年末年始には豪雪という、まさに地球の怒りとも言える異常気象が起こり、世界的な規模で地球に変化が起こっていることを如実に示しているのであります。  また、我が国では、新興国の著しい経済発展とは裏腹に、デフレ、雇用不安、経済成長の鈍化が顕在化し、ついにGDP世界第2位の座を中国に奪われるという、まことに嘆かわしい状態となっておるのであります。  一方、国政においては、混迷あるいは迷走と表現されるように、大混乱に陥り、国民不在の政治が続いておるのであります。尖閣諸島の問題、ロシアとの北方領土の問題等の対応をめぐっては、政府の対応に批判が集中いたしました。また、沖縄の基地問題に至っては、これまで県外移設を公約しておきながら、結局自由民主党政権の日米合意である普天間基地に逆戻りするなど、今ごろになってようやく日米安全保障の重要性を認識するような始末でございます。  民主党は発足時、国民の生活が第一、政治主導への転換、新しい公共、コンクリートから人への転換、増税なき財政再建など美辞麗句を並べてまいりましたが、言葉だけが先走り、結局政権交代という4文字に国民はだまされてしまったのであります。特に政権構想の中で、制度、政策、財政などがことごとくデッドロックに乗り上げ、内閣支持率は実に19%まで低下するなど、国民の信頼を失っているという現状であります。さらに、膨大な赤字国債の発行、累増を背景に、アメリカの格付会社が日本の長期国債を一段階引き下げたことについて聞かれた菅総理は、私は疎いのでとコメントすると、今度は第2次菅内閣で入閣いたしました与謝野大臣が、民主党のマニフェストに関連して民主党は無知であったと述べるなど、次々と許しがたい発言が発せられておるのであります。  そこでまず、知事にこの1年間の国政の動向についての所見を伺っておきます。さらに、前政権に続いて景気の回復、デフレ脱却、経済成長等々、数々の対策を講じてきた内閣でありますが、一時的に求人数も微増したものの、戦後最悪の失業率は改善せず、昨年12月時点の大卒就職内定率は過去最低の66.8%になるなど、深刻な就職氷河期に陥っているのであります。  私は、経済成長なくして雇用増はないと考える一人であります。特に大企業は円高や優秀な人材が流出し、労働人口の減少等によって海外に市場や生産活動をシフトする傾向が強まっており、この傾向は当面続くものと考えております。そこで、労働のミスマッチの解消を含め、雇用安定に向けた知事の認識と考え方を披露していただきたいのであります。  次に、知事の再選に向けた決意を改めてこの壇上で述べていただきたいのであります。  従来、歴代の鳥取県知事には、鳥取県民かたぎとして、安心・信頼の行政手腕と手がたさを求めて後人を選ぶ傾向にありました。あなたもその一人であります。しかしながら、あなたに対する県民の期待は異なるように感じております。  と申しますのも、これまではいかにして高額の補助事業をかち取るかという中央政府に対する影響力のみを期待しておりました。その結果、均一行政、画一化行政が進み、住民の発想や行政参画への意欲に欠け、地域の自主的な発展が停滞してまいったのは事実であります。  私どもが片山知事の後任にあなたを選んだ動機は、副知事退任時に述べられた鳥取県に骨を埋めたいとの一言であります。国際化、経済のグローバル化の時代にあって、世界的な視野で判断し決断できる人材であること、また実行力があり、地方の自主自立を求める地方分権時代にふさわしい有能な人材であると評価し、出馬を要請したのであります。  この4年間、あなたは住民本位を基本としながら次世代改革に踏み出し、国際社会への誘導、さらに鳥取新時代と銘打って次から次と新しい政策で県民をリードされ、加えて中央政府への率直な提言は、県民はもちろんのこと、全国的に高い評価を得ておられるのであります。  また、環日本海諸国との交流促進、先端技術産業の育成、EV関連企業の誘致など、雇用の安定と求人数の増加に向けた施策を積極的に展開しておられるのであります。財政が厳しい中、総花的ではなく、選択と集中の策で基金の取り崩しを抑えながらも、知恵と工夫で新規事業に果敢に取り組んでおられるのも事実でございます。とりわけ、政府予算において不確実きわまる事業が散見される中で、知事は補正覚悟で迅速に対応され、来年度の県の当初予算においても、暫定予算とはいえ、現今の経済情勢、県民生活に配慮されております。さらに、再選に当たっての政策は、県政発展のため「みんなでやらいや」という県民とともに歩む姿勢を高く評価したいのであります。  そこでまず、知事の1期目の総括とマニフェストの自己評価についてお尋ねします。
     そして、継続は力なりと申しますが、私どもは継続とさらなる新しい発展を期待し、再選出馬を要請した次第であります。  知事は、本会議の予算案の提案理由説明の中で、引き続き県政を担当する強い意志を表明されました。今回エチケットとして骨格予算となっておりますが、普通この時期であれば、新事業であれ、単県、国庫事業であれ、事業内容や財源が明らかになっておる時期であります。2期目の決意をされた以上、再選への強い決意とともに新たに取り組むべき課題、裏づけになる財源を明らかにしていただきたいのであります。  一方で、現政権は地方公務員の総人件費を交付税に位置づけ、公務員改革の中で国家公務員の総人件費を2割削減するとか、国の出先機関の地方移管を公約に掲げております。さらに年金の一元化や年金支払い年齢の引き上げ、65歳までの定年延長、給与の抑制、人員削減を求めております。しかし、いまだに法律改正ができていないのは残念でございます。地方に血のにじむような削減を求めているのは全く不可解であります。知事、いかがでしょうか、お答えいただきたいのであります。  次に、23年度の国の予算案と地方への影響について質問いたします。  今般提示された23年度の国家予算に対する各マスコミの論調は、財源なき歳出拡大、成長戦略に乏しく借金頼み、成長につながる政策に欠け財政再建にもほど遠いなどであります。それもそのはず、政権公約では無駄削減と総予算の組みかえで16兆8,000億円の財源を生み出そうとしておるのであります。しかしながら、結局今回の事業仕分けによる削減額はわずか3,000億円にすぎず、歳出の穴埋めをするために特別会計からの繰入金7兆2,000億円を充てるなど、埋蔵金頼みの先食いとなっておるのであります。しかも、歳入では新規国債発行が2年連続して税収を上回るという異常事態であります。この上、民主党政権の公約であった暫定税率の廃止であるとか高速道路の無料化などが実行されたら一体どうなるでしょうか。まさに財政破綻であります。  現政権は、政権擁立時のマニフェストに拘束されながらも、結局マニフェスト破りに終わっているのではないでしょうか。財政難に陥っている原因はほかでもありません。人気取りの子ども手当、高校授業料の無償化、高速道路の無料化、農家戸別所得補償制度であります。この4Kとも言われるばらまきを一刻も早く是正しなければ、財政の健全化をないがしろにした税と社会保障の一体化のみが進められ、消費税のアップにつながるという極めて厳しい状況に追いやられることは確かでございます。  そこでまず、今回の国の予算に対する率直な評価はいかがなものでしょうか、知事にお尋ねします。また、特に子ども手当の財源に係る地方負担の問題については大きな議論が起こっておりますが、知事はどう考えておられるのか、これまたお伺いします。  さらに、本年度の建設国債と赤字国債を含めた国債残高は668兆円、何と国民1人当たりに換算すれば500万円、これに地方の債務残高を加えると23年度末には892億円に達し、国民1人当たり約740万円となり、4人家族では3,000万円の借金に相当する天文学的な数字になっておるのであります。  しかも、建設国債と赤字国債の償還期間は60年でございます。起債、地方債は10年、借りかえを含めて30年などとなっておりますが、社会資本に充当される建設国債ならともかく、国の経常的経費における赤字の補てんとなるために発行する赤字国債まで、さらに特例法によって60年間の償還となっておるのであります。経済成長の上昇期、人口の増加時代ならいざ知らず、低成長、人口減少社会にあって返済不可能と言わざるを得ません。  知事、あなたは極めて有能な人材であります。仮に国、政府のリーダーとなったら、財政の健全化を含めどう対応されるおつもりなのか伺っておきます。  また、地方財政計画についてお尋ねします。  この中で私が一番心配しておるのが、国税五税の補完的役割を果たすものとして国が責任を持って対応すると公言している臨時財政対策債であります。これは昨年度に比べて減少しておりますが、23年度末までに累積36兆円に達する見込みとなっておるのでございます。臨財債の元利償還金相当額については、その全額が後年度の地方交付税基準財政需要額に算入されると伺っておりますが、そもそも臨時財政対策債は国が保証すると約束する以上、国の予算の中でその位置づけを明確にし、国民に向けて説明責任を果たすべきであると思いますが、知事、いかがでしょうか。  また、総務省が先月発表した23年度の地方財政計画の概要によりますと、来年度の地方財政計画の規模は前年度比0.5%増の82兆5,000億円になっておりますが、歳入である地方税及び地方譲与税は合わせて35兆6,000億円しかありません。しかも、地方交付税の原資である国税五税は11兆円しか見込まれていない中で、17兆4,000億円の地方交付税を確保し、それでも足りない分として6兆2,000億円の臨時財政対策債を計上しておるのであります。それでようやく歳出と歳入のつじつまが合ったような状態になっております。  私は、こういった状況は借金の上にまた借金を重ねる手法であって、間違っていると思います。人口減少社会と少子化が進展していく中、臨時財政対策債の発行と償還年数の問題について、国に是正を求めていく必要があると思います。知事、いかがでしょうか。  次に、一括交付金についてお尋ねします。  政府は、このたびの来年度予算案において、地域自主戦略交付金として5,120億円を計上しております。これは、地方が自由に使える一括交付金の第一段階として、都道府県分を対象にした投資補助金一括交付金化したものであります。そのかわりに国の補助事業は総額5%程度減額になっております。新規の事業に取り組みにくいものとなっておるのも事実でございます。また、一括交付金と言いながらも形を変えたひもつき補助金であって、地域の自由裁量の拡大というフレーズからもほど遠い内容であります。  私は、一括交付金とは今までの国からのひもつき補助金にかわって地方が自由に地域の実情に合わせて使用することができる交付金であると考えておりましたが、全くの期待外れであります。これでは形を変えた一括ひもつき補助金であって、また対象事業や自由度など、一部の制度の詳細が今なお不明な上に、全体的に予算が削減されておるのであります。非常に不満を感じております。  そこで、今回の一括交付金政府予算案に対する評価、私どもが求める一括交付金の概念と大きく異なる国の一括交付金のあるべき姿について知事の見解を求めるとともに、今後政府は是正すべきものは是正していく対応が必要ではなかろうかと思いますが、知事の所見を伺っておきます。  次に、県の来年度の予算についてでございますけれども、予算総額3,223億円で、前年度に比べて3.7%減になっており、来る4月に知事選を控えたものであり、緊急かつ継続的な事業を除き、あくまでも骨格予算として取り組んでおられるのであります。  ただ、知事がだれになろうとも、県税収入、交付税、国庫補助金の総額は基本的に変わらないのではないでしょうか。来年度は法人実効税率が5%引き下げられますが、企業収益の回復を想定し、国全体では税収の大幅増が見込まれております。本県でも県税収入は前年度に比べて9億円増の425億円となることを前提にして、地方交付税臨時財政対策債の合計は1,610億円となっており、13億円の減額で計上されておるのであります。  しかし、都市に比べて今なお厳しい経済情勢が続き、景気復調の兆しが見えない本県の場合、今回予算案に計上された県税収入の確保が果たして可能であるかどうか、来年度の県税収入の見通しについても伺っておきます。  さらに、中小企業に対する軽減税率の引き下げの問題についてでありますが、これによって県内経済にどのような影響が生じると見込まれておるのか、あわせてお伺いします。  次に、地方分権と議会が果たす役割についてお伺いいたします。  この乱世において、政治家の役割は何であろうかと考えたとき、私は英語のフレーズを思い出します。The perfect answer for needs of today。日本語では時代の要請と申しますが、トゥデイに対して時代というスピード感の違いに、緊張感、危機感の欠如を改めて戒めなければならないと思っております。そのスピード感の違いに、我々は緊張感、危機感の欠如があるのではないかと思っております。  そして、Don't put off till tomorrow what you can do today。つまり、きょうできることをあすに延ばすなということであります。我々政治家に求められるものは、まさしく将来に負担を先送りせず、しかも時期を逸することなく対応し、前進する社会を築くことであろうと私は思っております。このことについて、知事の考え方を伺っておきます。  さて、地方自治の原点は、自主・自立を基本とした行政運営であります。そのために地方分権改革の推進は不可欠であるのであります。金太郎あめ的な画一化行政から脱却し、実行力と責任のある地方づくりが今まさに求められておる時代であります。その責任者、リーダーが二元代表制の一翼を担う知事であり、一方の私ども議員でもあります。  知事の権限は、議会の招集・解散権、予算案の提出、人事権、条例の提案権など、絶大であります。それに対して一方の議員は、行財政運営のチェック機能、知事の不信任案、条例の提出権、提出議案の審査権、予算案の修正権等があります。  国会で今継続審議となっている地方自治法の改正案によりますと、議会側にも議会の招集権や検査権、調査権の拡大、条例制定範囲の拡大などを求める動きが出ておりますが、方法はいずれにせよ、民意をいかに県政に反映させるかにかかっているものと思っております。  私もこれまで議会活動を通じて、議会の権能である行政に対するチェック機能を果たすため、さまざまな事案に取り組んでまいりました。  そこで、主なものを振り返ってみますと、まず、今から35年前の本会議で、行財政改革の中において給与条例に反して執行されておるわたりを含む不合理な県職員の給与体系について、この本会議場で知事と論戦を展開いたしました。しかし、知事は一向に耳を傾けません。その後、20年間税金の無駄遣いが続けられておったのであります。したがって、県財政の悪化を招くような現状になったのも事実でございます。  さらに、昭和61年には県事業の民間委託、アウトソーシングの実施を求めましたが、執行部の認識に欠け、ようやく今になって軌道に乗りつつあることは皆さん御承知のとおりであります。  平井知事、今とは時代背景が異なるとはいえ、その当時あなたが知事であったならどう対応されておったのでしょうか。  また、中海干拓事業の凍結・中止について、これはまた知事が決断すべきでありながら、議会がイニシアチブをとって先導的な役割を果たしたのであります。御承知のように、中海干拓事業は昭和の国引きと言われ、鳥取・島根両県にまたがる中海を埋め立てて、将来の食糧逼迫を想定して農地造成することを目的として始まった事業であります。その後、環境破壊が大きな社会問題となる中、全国的に大規模な農地造成への見直しの議論が起こり、事業は凍結、その後、平成14年に至って正式に中止されたものであります。  そもそもこの事業は、革新系議員が中心となって当時の石破知事に干拓・淡水化を迫り、苦渋の決断の末始まった事業であります。ところが、一転して今度は事業の中止を求める反対運動を先頭に立って展開されたのであります。知事も対応に苦慮されていたと思います。あなたであればどう対応されていたのでしょうか。  我々は、165億円に及ぶ投資であっても投資額にはこだわらず凍結すべきであると結論し、もちろん島根県側の理解を得ながら、私の議長時代、鳥取県議会は徹夜議会の末、凍結の議決を行って、この事業に終止符を打ったのであります。  さらに、平成2年には米子空港2,000メートル化延長について、埋め立て方法をめぐって難航いたしました。議会側は、今は言いませんけれどもウルトラC、議会議員でなければできないような手法を使って漁業権を含む島根県側との問題を解決いたしました。これがなかったならば、今の2,500メートル化の実現はできなかったであろうと思います。  また、特に議会の果たした役割が大きかったのは、地方交付税の増額、財源確保に努めたことであります。昭和60年のわかとり国体に投資した金額は膨大でありました。基金も底をつき、単独事業のみならず国の補助事業の裏財源までも枯渇しているような状況でございます。何と、その当時の基金は70~80億円しか残っておりません。災害でもあったらどう対応されたのでしょうか。  そこで、私は窮地に陥った鳥取県の財政に対して危機感を抱き、本議会で知事と論戦いたしました。当時の知事の認識は、私どもとは大きくかけ離れていたと思います。そこで県議会の同意を得て、財政力の弱いグループ18県と衆・参の国会議員を巻き込み、財政窮乏県連盟、いわゆる貧乏県連盟をつくり上げたのであります。こうして地方交付税の改善を国へ求め、見事成功いたしました。結果、1年間に60億円、最高で1,500億円ぐらいの基金を積むことも一時的にはありました。本来ならば地方自治体の責任者が対応すべきものであったと思いますが、知事、いかがでございましょうか。  さらに、高速道路実現に対する県民の民意にこたえるために、兵庫県議会の協力を得て三県議長会の設立をいたしました。当時の知事が兵庫県側を利することになると反対いたしましたが、結局協力体制が得られ、鳥取自動車道の中で用地交渉がおくれていた大原地区の交渉も大いに進んで現在に至っておるのであります。やはり議会、執行部双方が協力すべきときは協力して対応すべきものと考えた次第でございます。  また、平成5年には、鳥取県の将来を見据えて対岸諸国との交流、特に森林、石炭、天然ガスの産地、産油国との交流の接点を目指そうと、議員が中心となって運動を展開したのであります。このことは、境港の港湾及び道路の整備に直結するとの思いもあって運動を展開いたしました。結果的には知事の反応は鈍かったのであります。しかしながら、日本花嫁協会の協力で数回にわたり交流を重ねた結果、県議会の議員の出資によってウラジオストクに鳥取県事務所を開設することができました。その後、平井知事の時代を迎え、定期貨客船の就航や鳥取トレードセンターの開設など、環日本海諸国との新たな交流が始まっていることはまことに喜ばしいことであります。  平井知事が時代の流れの中で先鞭をつけられたことは高く評価すべきと思いますが、今後の北東アジアの交流にかける知事の思いをぜひこの議場で明らかにしていただきたいのであります。  さらに、昭和63年に長野県川上村を訪れました。過疎化と少子高齢化の進行が予想される農村の中にあって、村長が先頭になって活力ある村づくりに立ち上がっておられました。若者を中心に未婚なし、当時の平均所得は1,000万円以上が実現できるという状態を目の当たりにすることができました。これを参考にして、将来の鳥取県の農村を憂いて、私費で集団見合いを行ったのであります。当時、県の反応は極めて冷ややかでございました。その後、民間の有志によって継続されたものでありますが、ようやく一昨年から県費によって婚活事業が行われておるのであります。  我々の役割は、将来に希望を持たせる社会を築き上げることであり、場当たり的ではなく、一時的な対応ではなく、その都度軌道修正をしながらも、確固たる方向性と希望と夢を描ける社会を実現することであると思っております。その意味でも、かつての私どもの提言が先送りされたことは非常に残念であると思っておるところであります。  以上、二元代表制の一翼を担う議会及び議員として、その果たす役割について県民の皆様に明らかにするとともに、これまでの議会としての活動の一端を述べさせていただきました。当時、あなたが責任者であったらどう対応しておられたのかも伺っておきます。  次に、自治体会計のあるべき姿として、企業会計的な思考や手法がなぜ必要なのかを考えてみたいと思っております。  申すまでもなく、国、地方自治体の財政運営は極めて慢性的な税収不足に陥っておるのであります。不足する財源を国債、起債、つまり借金で補っておるのであります。民間企業でいえば赤字、倒産という危機的な状態にあることは事実でございます。スピード感と緊張感に欠け、極めて安易な認識となっておるように思います。  そこで、本県の例を挙げますと、まず総事業費250億円を投じて造成された竹内工業団地は、現在でもなお16.4ヘクタールの分譲がなされずに残っておるのであります。およそ20年前のことでございますけれども、ここにはバブルの絶頂期に大手スーパー・ダイエーによる大型商業レクリエーション施設の進出計画がありまして、ダイエーは非常に熱心でございました。私どもは売却を求めましたが、知事の反応は鈍かったのであります。当時、用途指定のために造成目的外に売却できないとの制約があり、土地利用計画の変更手続を進めるも、時既に遅し、結局、進出断念となったのであります。  また、用途指定の問題だけではなく従来からの企業会計では、原価主義に基づいた価格設定とされており、経済情勢が急激に変化する中でありながらも、投資額イコール分譲価格というルールが忠実に守られたことも売却が進まなかった大きな原因ではなかろうかと思っております。決断がなかったことは私は極めて残念であったと思っております。  行政ももっと時代の変化に柔軟に対応すべきであると思っておるところでございます。用途変更についても、時期を逃さず、決断すべきは思い切って決断すべきと思いますが、未売却用地の処分を含めて、今後の対応についてもお伺いします。  もう1点は、造林公社の問題であります。  造林公社は、昭和40年代、国の拡大造林政策のもと、森林資源の造成や国土保全を目的に、都道府県に相次いで設立されました。造林、保育に要する経費を全額公社が負担するかわりに、その収益の一定割合を公社と土地所有者が分収するという分収造林事業であります。しかし、収益が得られる伐期到来までには数十年を要し、その間の借金が膨らむのに加えて、近年の木材価格の下落により将来大幅な損失が見込まれることから、全国的に経営の行き詰まりが問題となっておるのであります。  本県でも平成22年3月末現在の公社の借入金は、日本政策金融公庫から貸付金として306億円にも上っておりますが、木材の長期低迷で国産のスギ材はピーク時の2割以下に落ち込み、公社の森林資産、つまり投資額444億円に対して、総務省方式による時価評価額は実に4分の1以下になっておるのであります。つまり、投資額が資産価格になっていることが大きな問題と私は考えております。  このような過去の投資にこだわらず、将来の負担を最小化できる方法を選択すべきであると思いますが、知事の思いを明らかにしていただきたいと思います。  既に解散しておる岩手、大分、神奈川に続き、最近では群馬県でも、このまま放置すれば県民負担が増大することを理由に廃止の方向で今議論が進められていると聞いておりますが、本県では一体どうされるのか、早い決断を求めるものであります。  さて、私は一企業体が企業経営に関する意思決定を行うときに、その基礎、基本となるのがバランスシートであり、コスト計算書であると思っております。自治体でいえば、バランスシートにおける貸し方は自治体の保有する資産を示し、借り方の正味財産は過去または現世代の負担を示しておるのであります。資産と正味財産の差が大きいほど、現世代が負担すべきものを将来に先送りしていることを意味しておるのであります。  自治体会計においても民間的な手法の導入が徐々に進められておりますが、自治体が将来世代の代弁者として機能を果たすためにも、バランスシートの充実という視点を強める必要があると思います。知事に考え方を伺います。  また、従来のコスト計算書ではなく、東京など一部自治体が行っているように、発生主義に基づいた複式簿記による計算書が必要ではないかと思いますが、知事、いかがでしょうか。  さらに、県民にとってわかりやすくするために、あるいは規律を与えるためにも、会計情報のあり方を検討すべき時期が来ておると思いますが、知事に所見を伺います。  次に、今回の災害で、私はリスクマネジメントが十分であったのか、さらにクライシスマネジメントの機能は果たしていたのか、改めて検証すべき時期が来ておるのではなかろうかと思っております。  死者も出した雪崩事故、12万8,000戸に及ぶ停電などのライフラインの寸断、生命の危険にさらされる救急医療、リアルタイムによる情報通信手段の機能停止、JRは単線、幹線道路の国道は片側1車線、対応しがたい現実の中で沿線の立木が倒れ、想定を超えた積雪が道路、線路の行く手を阻んだと言われております。果たして、道路、線路の沿線の倒木は想定されなかったのでしょうか。まさに私はリスクマネジメントの欠落であると思っております。  さらに、国道の管理者、県警、県の対応の欠如。司令塔はどこにあるか、問題があったのではないかと思います。災害発生の要因、発生時及び発生後の対応、情報提供の一元化、代替道路の確保、警察の指令、輸送業者のモラル等、すなわちクライシスマネジメントが十分であったかも検証すべきであると思っております。知事、警察本部長に現状認識を尋ねるとともに、今回の豪雪被害を教訓に、リスクマネジメントとクライシスマネジメントという観点で質問いたします。  また、今思い出されるのは、県東部を襲った昭和38年と昭和59年の豪雪であります。このときも雪害が営農意欲を失い、離農が進んだことを記憶しております。よく参考にしていただきたいと思います。  知事の今回の対応について、予備費を使っていち早く対応、災害復旧作業に努力されたことは、県内外では高く評価されているところであります。いずれにしても、今後こうした農家、漁家への復興対策は急務であります。今回の豪雪被害に対する全般的な思いと対応についても重ねてお伺いします。  さらに、私はこのたびの大災害で、山陰の大動脈、命綱となる山陰自動車道の整備促進の必要性が改めて国に理解されたと思います。ぜひこれを機会に、山陰道の早期整備に向けて粘り強く国に働きかけていただきたいと思います。知事、いかがでしょうか。  また、今回のように渋滞車が立ち往生するような場合、時間的に待ったなしの対応が迫られるのは、緊急患者に対する救急医療体制であります。中でも腎患者で人工透析を必要とする者への対応でありますが、本県の災害時における対応は十分であったのかもお尋ねいたします。  さて、次に平成の大合併についてお尋ねします。  昭和の大合併で全国の市町村が約1万から3分の1の約3,500に減少いたしました。平成の合併では、昨年度末に1,727にまで減少しております。平成の大合併は、本県でも39あった市町村が19に減少いたしました。  この市町村合併には、行政サービスの広域化、サービスの効率化、行財政の高度化などのメリットがある反面、窓口が遠くなるために行政サービスの低下であるとか、行政と地域住民の距離が拡大したとか、選挙における投票所が少なくなり、商店街などが寂れたという話も聞いております。  さらに、市町村合併には合併特例債というあめもあります。このあめの原資は国民の税金であり、合併特例債を乱発すれば、国の隠れ借金も累増します。将来、我々の子や孫に借金を残すむちでもあります。  現在、鳥取市においては市庁舎の建てかえ議論が行われておりますが、後年度に交付税措置がされるこの特例債でございますけれども、果たして交付税措置がとられるでしょうか。また、鳥取駅前に移転構想があるようでありますが県有地もあり、市からの相談を受けておられるかどうか、また、受けておられるのであればその内容を披瀝していただきたいのであります。  また、市町村合併に前後して農業団体や郵便局の統合、合併などがありますが、特に中山間地においてはさまざまなサービスを受ける窓口が遠くなり、ますます中山間地の荒廃につながっていくものと思っております。私は、住民目線で市町村合併によるメリットとデメリットの結果を検証することがまず必要ではないかと思っております。平成の大合併に係る総括について知事の所見を求めるとともに、また、市町村合併の結果を検証した上で、市町村の行政サービスにおいて県が支援すべきところは積極的に支援するべきだと考えますが、知事の対応を求めるのであります。  さらに、人口減少社会に想定される諸問題についてお伺いします。  ある雑誌で見た人口問題の研究者の予測によりますと、日本の人口は現在の1億2,000万人から7,000万人に減少するということでございました。東京以外は激減し、3分の1以上が半減するという記事も見ることができました。鳥取県では最高が61万人であった人口が2035年には50万人を切り、2050年には39万人となるような内容でありました。  びっくりいたしました。これが現実のものとなれば消費市場が縮小し、あらゆる産業の衰退により税収減を招き、社会資本の維持や医療・介護サービスが立ちおくれたり、農林業は国のもととされますが、耕作放棄地は増大し、食料自給率は低下し、山間地の集落は消滅し、緑は失われ、国土の崩壊につながるということは確かでございます。  このようなことを想像することさえ恐ろしい時代であり、こういう時代がないことを私どもは祈っておるところであります。知事、人口減少社会における本県の状況にどのように対応されるのか、また、移住定住の現状と交流人口をさらに増加させる方策について、知事の見解を求めます。  さらに、生産人口の減少に伴う経済の鈍化対策は喫緊の課題だと思っております。このために、交流の人口増大に向けて、国内・国際交流の一層の推進、世界ジオパークの利活用のほか、世界マンガサミットを初めとする国内のイベントの開催などに積極的に取り組んでおられますが、交流の持続性と新たな交流の発掘を今後どのように進めてまいられるのか、知事の考え方をお尋ねします。  次に、農村の崩壊が懸念されるTPPの問題であります。  総理は国会の所信表明の中で、平成の開国元年と称して、TPP参加を視野に、関税撤廃による貿易自由化に改めて前向きな姿勢を示しておられます。その一方で、強い農業づくりと農業の再生に向けて従来の戸別所得補償制度を見直し、小麦などの畑作を対象に加えるほかに、経営規模の拡大を目指す農家には交付金を積み上げるなど、農地集約を促して競争力を強めようと進めております。  確かに、農業経営の拡大は必要でございます。県内でも農家戸数は5年前に比べて14%減少いたしましたが、大きく減ったのは第一種・第二種兼業で、逆に専業農家のほうは4%ふえておるのであります。このように、規模拡大と収益増を目指していることは評価できますが、さりとて世界と競争できるような環境ではないということは明らかでございます。農業を含む経済、福祉、あらゆる分野で具体策を示さずに参加を表明することは、言語道断であります。  世界的な規模での関税撤廃、市場原理主義の導入に直結するTPPへの参加は、農業者のみならず、農山村の荒廃に直結するものであり、慎重に対応すべきと思いますが、知事の所見をお伺いします。  さらに、政府が対応しようとしている強い農業づくりというものは一体どういうものであるのでしょうか。株式会社やNPO法人などの新規参入の促進や農村の6次産業化などを想定しているようでありますが、中山間地が大部分を占める本県のような場合、農業生産や国土保全などにおいて中心的な役割を担っている兼業農家がたちまち崩壊する危機にさらされていると思うのであります。  また、政府の新成長戦略では50%の食料自給率を目指しておりますが、単に戦略を描いてみても、対象作物の拡大と大規模・集約化の施策だけで果たして実現可能でありましょうか。これについても知事の考え方を伺っておきます。  また、今年度の戸別所得補償モデル事業についてでありますが、価格補てん分以上に米価が下落しております。中間業者が操作し、当初の目的であった農家への所得配分にはつながっていないようであります。本年度の農家戸別所得補償制度の評価と畑作作物に拡充されるという来年度の追加制度についていかがなものか、知事の知っておられる関係についてお尋ねします。  次に、雇用・経済対策についてであります。  ザ・ワールド・ウオー・ツー、第二次世界大戦で焦土と化した日本を救ったのは、日本独特の共生社会の中にあって、国民の忍耐と勤勉性、創造力、さらに米国に追いつき、米国を追い越せをモットーに、すぐれた技術力でありました。かつては重厚長大経済の中で米国に続くGDP世界第2位に上り詰め、その後、ITを中心に軽薄短小経済へとシフトしながらも、昨今では発展著しい中国に追い越され、日本経済は供給力、技術力の低下とともに地盤沈下の道をたどっておるとしか考えられないのであります。私は、生産人口の減少もその要因の一つであろうと思います。これらについて、まず知事の所感を求めるものであります。  さて、デフレ脱却に向けた消費拡大、金融緩和対策、国からの基金造成による緊急雇用対策などはいずれも一過性にすぎず、経済成長なくして雇用は安定にはつながらないと思っております。国の税制大綱に基づき、法人税率の引き下げが講じられておるものの、経済成長戦略に欠けると思いますが、知事はこれによって地方経済は好転するとお考えなのでしょうか。  次に雇用の問題でありますが、全国的に改善されつつも、昨年の完全失業率は5.1%、前年と同じく過去3番目に悪い水準であります。また、直近の有効求人倍率を見ますと、全国0.57倍に対して県は0.67倍と全国平均より若干高いものの、正規雇用率は実に0.38倍にすぎないのであります。  さらに、高校卒業予定者にとっても最悪の状態にあるのであります。厳しい環境にあることは間違いなく、大学卒業予定者についてはさらに戦後最悪の状況と言われております。知事の実感をここでまず問うておきます。  また、3年間の期限つき緊急経済雇用対策でありますが、求職者等に対する雇用創出が図られ、雇用基金事業による平成21年度の雇用実績は約2,200人に上っておりますが、すべてこれは臨時雇用であります。とすれば、23年度末で期限切れを迎えた後は一体どうなるのでしょうか。このままいくとリバウンドがあり、雇用状況がさらに悪化するというおそれもありますが、知事、いかがでしょうか。  また、県では来年度当初予算の中で、雇用を維持するために中小企業向け設備投資資金や国の緊急保証制度が今年度で終了することを受けて、当該制度の受け皿となる新しい制度融資を考えておられるようでございますけれども、その内容をまず明らかにしていただくとともに、これらは本来ならば政府がやるべきことを県独自で対応されていることに対して高く評価するものでありますが、制度の内容と期待される効果についてもお伺いいたします。  さて、教育のあり方と今後の問題についてお尋ねします。  本県教育の殿堂と言われた鳥取大学教育学部から「教育」の字が消えて7年が過ぎようとしております。鳥取大学は御承知のように、昭和24年、国立学校設置法の制定を受けて、米子医科大学、鳥取農林専門学校、鳥取師範学校を包括し、新制大学として設置されました。当時、駅弁大学と酷評されながらも、地域に根差した大学としてこれまで多くの優秀な人材を輩出してまいり、地域の教育力の向上に大きく貢献したと私は思っております。全国的な大学再編の流れの中で、教育学部は平成11年には教育地域科学部へ、平成16年には地域学部となり、完全に教育という看板がおろされたのであります。  申すまでもなく、鳥取大学教育学部は教員養成としての役割だけではなく、地域の現職教員に対する指導、助言、資質の向上に大きく寄与してまいりました。また、OBと現職との強いきずなもあり、人材や教材の提供、模擬授業などで地域に密着した教育を展開して、多方面で本県教育界をリードされたのも事実でございます。  少子化による児童・生徒数の減少に伴って、教員採用の減少が見込まれますけれども、教育学部を再編、合理化の対象とされたのは、果たして正しい判断であったのでしょうか。  また、ここに出身者がおられますけれども、教育学部附属として教育実習の受け皿や教育研究の実証の場であった附属小・中学校におきましても、今や大学の組織の中で宙に浮いた存在ではなかろうかと思っております。私は決して好ましい状況ではないと思っております。教育学部の廃止は本県にとっても大きな禍根を残したと言っても過言ではないと私は思っております。知事及び教育長の認識についても伺っておきます。  さらに、環境大学が公立化に向けて動き出しております。県内では文系の受け皿が少なく、受験生の県外流出が続いております。このような事態はある程度予想されたのでありますが、本県として何らかの方策を考える必要があったのではないかと思い、知事の所見を伺っておきます。  また、我々は常々教育は人材養成の原点であり、その延長線として、世界をリードする技術者の育成以外に日本の発展と前進はないと思っております。環境大学の改革案では経営学部の新設が検討されておるようですけれども、本県の高等教育のあり方として、技術立国としてのステータスづくりという観点からも一考を要すると思いますが、知事の所見をお伺いします。  次に、今後の教員の資質向上について伺います。  小・中学校における教員の年齢構成を見ますと、いわゆる団塊ジュニア世代が就学期を迎えるのに合わせて一時的に教員定数がふえたために、現在人員構成が小学校では53歳、中学校では49歳をピークに右寄りのピラミッド型になっておるのであります。したがって、今後10年のうちに大量退職の時期を迎えようとしておるのであります。このままでは中堅、ベテランの教員が減り、逆に経験の少ない若手教員が極端にふえるのではないかと思って私は心配しておるところでございます。  教員の質やノウハウを維持しながらモダレートに対応ができるよう、今から考えていく必要があるのではなかろうかと思っております。教育長の認識と今後の教員採用についての考え方をお伺いいたします。
     また、来る教員の大量退職期を控え、地元で育ち、地元に愛着を持った県内出身の優秀な人材をぜひ採用すべきであろうと思いますが、地元に教育学部がない今、どのように教員を確保されるのか、その対応についても教育長に伺っておきます。  関連して一言申し上げますと、かつて私の義父は、涙とともにパンを食べた者でなければ人生の味はわからないとゲーテの言葉で諭しました。教師とは光を和らげ、子らの列に溶け込む母であり、自立自学の力を確かに身につけよと諭す父であると諭しました。さらに加えて、読み書きそろばん、いわゆる基礎をしっかりと身につけることが読解力の原点となるとも諭しました。これは現世代に求める教師像に共通するのではないかと思いますが、教育長、いかがでしょうか。  次に、学力向上対策についてであります。  文部科学省は、これまでのゆとり教育の路線を転換し、授業時間数の10%程度の増加や理数科教育の充実、小学校高学年への外国語導入などを含む学習指導要領の大幅な改訂を行っておるのであります。従来の改訂と異なって、移行期間中に可能なものから先行実施するという異例の措置でございます。子供の学力低下に対する危機感から、一刻も早く対応しなければという国の姿勢が見られるようであります。そして、いよいよ小学校ではこの春から、中学校では24年度から完全実施になります。円滑に移行できるよう県としても万全な対応が求められておりますが、教育長にその対応を伺っておきます。  また、学校週5日制のもとにこの改訂を実のあるものにするためには、学校の創意工夫や教員の力量もさることながら、家庭や地域との連携をどう構築するかということが重要なキーになっておると私は思うのであります。  県では21年度から勉強がんばろうキャンペーンを展開しており、学力向上に向けてさらに一歩踏み込んだ独創的な取り組みを期待するのでありますが、教育長の考え方をさらに伺っておきます。  また、昨年実施された全国学力・学習状況調査によりますと、本県は国語、算数において全国を上回ってまいりましたが、その先の高校、大学を俯瞰してみますと、大学進学率は全国平均54%に対して本県では45%と、年々全国平均に大きく水をあけられようとしておるのであります。楽観できるような状態ではありません。私ども県議会は昨年、教育の基本は修業年数6・3・3制の充実の中で、専攻科を前提とせずに小・中・高を通じて基礎基本の学力の定着を図るべきであり、強化と総合的な学力向上の取り組みを決議したところであります。その決議を踏まえて、本県では学力向上に向けた対応及び体制をどのようにされようとしておるのかお伺いします。  もう一つ。昨年、2人の日本人、根岸英一氏と鈴木章氏がそろってノーベル化学賞を授与されたことは、大変喜ばしいことであります。だれしも発想し得なかったクロスカップリング反応でございます。つまり、金属の触媒、これはキャタラーゼと申しますが、クロスカップリング反応、つまり新しい有機化合物の合成に成功し、世界的に注目を浴びておるのであります。今後は地球温暖化をもたらすCO2を使った人工光合成の発見にも意欲を燃やしているとされておるのであります。その根岸さんがまさに受賞の会見で言及されたのは、詰め込み教育、受験地獄とも酷評された戦後の日本の教育のよさを評価しておるのであります。昨今の日本の若者の理科離れと内向き志向に対する懸念を表明されたものと思っております。  敗戦後、我が国が世界に類を見ない急速な経済発展を遂げたのも、少資源国がゆえに技術立国ではい上がる以外はないとして、国を挙げて教育と科学技術の振興に力を注いだことにほかならないと思っております。  折しも国の事業仕分けでは、科学技術予算の削減が問題となりました。なぜ一番でなければならないのかと批判する大臣に、技術立国としての我が国の将来を託すわけにはまいりません。このことは県においても同じだと思います。知事の考え方を伺います。  また、子供たちはみずから考える力が弱くなったと言われております。そこには、基礎基本を軽視し、得意な分野でできることだけを伸ばそうとする学力の分業化にあると私は思っております。つくる楽しみ、創造する魅力、原理原則、理論を追求した時代は過去のものになってまいりました。つまり、ICT、情報通信技術の分野に象徴されるように、完全につくられたものを利用する社会、つくる側と使う側とが全くセパレートしてまいっておるのであります。今では単にユニットを組み合わせるだけの時代となっているのではないかと思っております。  つくる喜びから単に利用する喜びに変わり、創造力を失っていることが昨今の若者の理科離れや理系離れに、加えてさらに技術力の衰退につながっているのではないかと私は思っております。  義務教育の中で科学技術、創造力をどう培うのかが大きな課題であると思っております。本県の科学教育のあり方について、教育長の考え方をお尋ねします。  さて、最後になりましたが、県民の安心・安全について知事及び警察本部長にお伺いします。  過疎化、高齢化が急速に進む中で、民家、特に空き家や独居世帯などに侵入して骨とう品などを盗難する例が見受けられます。これは道路網の整備やインターネット等の普及により、骨とう品の流通ルートがかなり広域化し、複雑化していることも背景にあると思っております。骨とう品を初めとする盗難被害防止の現状と防犯対策について、県警本部長に伺います。  また、犯罪防止に役立つのは防犯灯及び道路照明灯であると思っております。浜田市で起きました女子大学生の大変痛ましい事件を教訓に、全国的にも防犯灯設置の動きが広がっております。本県でも防犯灯及び道路照明灯の設置については、単に事故防止というだけではなく、全県的な防犯体制を推進する観点から、県警と連携して私は整備を進めるべきだと思いますが、知事の所見をあわせて伺っておきます。  また、LEDの照明の導入や維持管理のための補助制度をさらに拡充してこれらに対応すべきものと思っております。  長くなりましたけれども、壇上での質問をこれで終わらせていただきます。よろしくお願いします。 ◯議長(小谷茂君)26番山口享議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山口議員の代表質問にお答えを申し上げます。  まず第1点として、国の政治動向についてのお尋ねがありました。言葉が先走ったのではないか、政権交代という言葉で今の政治状況が生まれているけれども、国民がだまされたのではないかというお話がございまして、私のほうに1年半の国の政治動向について所見を問うというお話をいただきました。  この間の政治状況につきましては、皆様もごらんいただいているとおりなのだろうと思います。今のチュニジアとかエジプトだとか、さらに現在バーレーン、そしてイラン、そうした国々でも民衆の動きが起こってきております。現に政府がひっくり返るというようなこともございます。そういうような一つの焦燥感といいますか、そういうことについて、政治のほうで対応していく能力というものが問われ続けているのが、世界を通じての流れなのではないかというふうに思います。  そのような中で、我が国におきましても政権交代というキーワードがマスコミを席巻しまして、人々の頭の中にも随分とそれが浸透して投票行動になってあらわれ、衆議院議員の総選挙で政権交代ということになったわけであります。  その後、今政治状況が動いてきております。現在の状況を見ても、国会のほうはその後の参議院議員選挙でねじれ国会が再び生じることになりまして、国としての政策決定機能に一定の限界が出始めているという状況になってきております。ただ、逆に言えば、今こそ本当は国としての民主主義の成熟度が試されるときもやってきているのではないかというふうにすら思えるところもございます。  マニフェストだとか政治と金だとかといういろんなキーワードがありますが、そういうことに政権・与党のほうでも一つはきちんと答えを出していく必要があるのではないかと私は思います。政治と金の問題につきましては、現在、倫理委員会が開かれまして、それで小沢元代表に政治と金の問題について釈明を求めるということになりました。これが出てこなければ党員資格を停止するという党としての処分が下されるのではないかと世上報道されているところであります。  この問題は古くから言われている課題でございまして、本来そうした党内の事情についても一定のけじめをつけて、そして国会での説明責任を果たすとか、さらに政治資金規正法などの諸制度の改正なども行う、そういう意欲的な改革を行うべきではないかと思います。これは与党側だけではなくて、野党についても国民の期待にこたえてやっていくような課題ではないかと思います。  あと、混乱を招いている一つは、マニフェストの設定の仕方にあったのではないかというように思います。これは今多くの報道でも出てきておりますが、結局マニフェストを全部実現しようと思いますと財源が大変必要になる。その財源が必要になるところで、では本当にやるのかどうかと再度問い直される局面が今生まれているわけであります。私は、現場の地方自治体を預かる立場からなのかもしれませんけれども、本当はマニフェストについては柔軟に見直す必要があるのではないかと思います。ただ、見直すということで前言を翻すことになりますので、綸言汗のごとしという言葉もございますが、本来の政治家としての言葉をたがえたのではないかという政治的批判を受ける立場にも立たされます。それは次の総選挙なり参議院議員選挙なり、国政選挙の場で堂々と問うていけばいいわけでございまして、そのマニフェストの扱いについて、これが今の政治状況の混乱を生んでいる一つのもとではないかというふうに考えております。  この1年半を通じまして、確かに混乱もありましたけれども、国民も巻き込んだ一定の成果もあった面もあろうかと思います。例えば、事業仕分けという言葉が流行語になりましたように、官僚政治の打破という言葉もございましたけれども、単に漫然と今までやってきたことをやるのではなくて、きちんとした改革を行うべきだと。その場合には役所の外からの目線を大切にし、国民の目線を大切にして見直すべきことは見直していこうという一種の政治運動が国、地方を通じて生まれたことは評価できる面があるのではないかというふうに思います。  また、直轄負担金とか、これも地域主権改革という言葉の一環としてその廃止がうたわれました。全廃されているわけではありませんけれども、かなり大幅に前進をしたと、この点は私は評価できようかと思っております。ただ、道半ばでございまして、今の地域主権改革でいえば、まだ現実に地方の支分部局を国から地方へと移譲するその手はずが進んでいるわけではありません。一括交付金が不十分ではないかと今も山口議員の御指摘がございましたけれども、私も十分ではないというふうに思いますし、多くの地方団体関係者がそう考えています。こういうように、なかなか進んでいないというところの焦燥感も今の政治状況を生んでいる一因になっているのではないかというふうに思っています。これは与党の問題が大きいのかもしれませんが、ぜひ政治としての決定力を野党側のほうでも協力すべきことは協力してやっていく局面ではないかと思います。  例えば、鳥インフルエンザ問題という喫緊の課題があります。今愛知県に飛び火をし、さらに和歌山県、三重県にも飛び火をしました。この問題について、口蹄疫も含めて与野党間で協議が今調っているという報道になっています。そういうように、やはりすぐに解決すべき課題についてはスピード感を持って解決をしていく政治状況も創造していただきたいと思います。  次に、景気の回復とかデフレ脱却、経済成長などの対策を講じていく必要があるけれども、現在は深刻な就職氷河期に陥っていると、雇用の安定に向けて所見を問うというお話でございました。  これにつきましては、今も海外への製造拠点の移転など、深刻な状況が続いていると思いますし、むしろ加速し始めているのではないかという危惧すら持っています。これにあわせましてリーマンショック以来の景気の動向がございまして、雇用にも陰りが出てきている。特に新卒者について、不安感が強まっているという現状があります。雇用の安定について、労働のミスマッチの解消とか、政府は機敏に動くべきだと思っております。  私ども鳥取県としては、我々の独自のやり方をやろうと、今回議会のほうにも提案をさせていただいております。例えば雇用について、正規に1人雇っていただければ100万円というような、こういう県独自の取り組みをさらに推進したり、それから派遣のような形でやりますけれども、派遣先で研修をしてもらって、うまくいけばそちらに就職をしてもらおうというようなスキルアップを含めた対策も新年度でやってみてはどうかと考えております。こういうようなさまざまな施策を通じまして、雇用のミスマッチの解消だとか安定に向けて邁進していきたいというふうに考えております。  大量雇用とかということで県としても今事業をやってきておりますけれども、一定の成果があらわれているかとは思います。現実問題として、リーマンショック前の水準ぐらいにまで有効求人倍率は戻ってきておりまして、0.67倍というところまで来ました。国のほうは相変わらず0.3ぐらい当時よりも落ちたような格好になっておりまして、国のほう全体としてはまだまだ隘路はありますけれども、県として独自の施策を通じて今回復を何とか目指そうとしていると。まだまだ十分ではありません。こういうような地方のいろんな努力も見ていただきまして、国として機敏な対応をする必要があるというふうに考えております。  次に、新しい発想も含めながら、ぜひ2期目に向けて進んでいくべきだと私自身についてのお尋ねといいますか、言葉をかけていただきまして、1期目の総括とマニフェストの自己評価についてお尋ねをいただいたわけでございます。  私は今のような混迷する政治状況の中でございますけれども、だからこそ地方の現場からこの国を、あるいは世界に向けてリードするような、そういう行政を展開する必要があると考えております。鳥取県は小さい県でございまして、力の限界があるわけではございますけれども、ただ、だからこそ58万人強の人口規模のゆえをもって、小回りを生かして時代をリードすることは決して不可能ではないだろうというふうに信じております。そういう意味で、みんなでそうした未来づくりをやっていこうと、県民の皆様にも訴えかけをさせていただき、そしてともに次の時代を開くような行政を展開していきたいと願っております。  これまでの4年間を総括してみますと、県政の方向転換を図ってきたわけでございまして、従来の県政のスキームを打ち破ろうとしてまいりました。例えば、自立だけではなくて連携というものもキーワードにしようということでやってまいりまして、民間の皆様のさまざまな運動を支えようとしてきました。それから、地域の域外との関係では、関西広域連合の加盟に至るとか、また、海外とのパイプづくりだとか、島根や岡山、中国地方の中での一つの地歩を築いていくと、そういうような踏み出した連携を図ってきたわけであります。  さらに、県庁内の改革にとどまらず、改革の果実を県民や地域の皆さんに還元をしていくという方針でいこう。今までは産業とは一歩距離を置く、市町村とは一歩距離を置くということで歩んできましたけれども、この3年強の期間につきましては、逆にパイプを太くして一緒になって戦いを挑んでいくというふうに方向転換をしていきました。その結果として、県内でのいろんな雇用創造をしようとして、有効求人倍率は1倍にはいっておりませんけれども、全国平均との逆転を図らせていただいたり、経済成長戦略を策定いたしまして、そして電気自動車工場だとか、そうした時代のテーマにふさわしいような工場立地を進めたり中小企業の振興なども進めてまいりました。  そもそも産業政策には現場の目線が必要だろうと、農業団体や農業者の声を聞く場を意欲的に設けさせていただいたり、商工関係ではキャビネットという商工業者の皆さんの意向に即した県政の施策を考えるというふうに発想の転換を図るなどさせていただきました。  実際に地域の主役は県民であり、担い手になってくださいとスーパーボランティア制度を導入をしたり、鳥取力創造運動というふうに突き進んできたわけでございます。また、未来を語って今を考えるような県政にしようということで、議場でも議論させていただきましたけれども、将来ビジョンを策定することにいたしましたし、県政改革としても、考えてみれば裏金問題で随分と荒れた県政を引き継いだわけでありますが、その裏金問題のことにも終止符を打ちまして、コンプライアンスの確立だとか県政のスリム化なども図ってきたわけであります。  このようにいたしまして、マニフェストにも答えを出してまいりました。最近も相次いでマニフェストの達成が数字上も確認できるところまで来ております。例えば地産地消のために給食の地産地消率を60%に引き上げると、これはマニフェストの中で目標数値を掲げてまいりましたけれども、このたび2学期の終了時点で63%に引き上がりました。もちろん市町村にも協力をしていただきながらやってきたわけでありますが、議場でも御議論いたしましたように、具体的に教育委員会の中とか、あるいは農業団体の中にこういう地産地消を進めていこうという人材配置も行いましてここに至ったわけでございます。  あるいは障害者の雇用率でございますけれども、長く民間では雇用目標を達成するというところに至っておりませんでした。1.8%という目標数値がございますけれども、これもこのたび1.83%と上回ることになりました。県だとか市町村だとか、民間のすべてのセクターで障害者雇用を国の目標数値どおり達成するというところまでやってまいりました。この背景としては、そういう障害者の雇用を進めようといういろんな活動をビルトインしてきたわけでありまして、関係団体にも手伝っていただきながら、そういうコーディネートをする人材を配置したり、また、学校教育の場面との結びつきを図ったり、いろいろとしてきたわけでございます。行政としても全国トップの透明度を達成するということも実現できまして、オンブズマンの調査でも、今年度は透明度トップというところまで引き上げることができました。  このように、一定のマニフェストの達成を図りながら次期へと向かっていくわけでございますけれども、私としては、一つにはやはりパートナーとしての県政をつくっていきたいという思いがございます。それは、今までのビジネスモデルを行政の世界で変えていこうということでございます。お上意識だとか、お任せ県政だとか、あるいはお仕着せでやるような行政ということではなくて、県民の皆さん、住民の皆さんの意識と不即不離の関係でやっていく、そういう県政をつくり上げていく必要があるだろうと。これは主権者たる県民との関係ではもちろんのことでありますが、市町村だとか、あるいは企業さんだとか、各種いろんな団体がございますけれども、そういうところもパートナーとしてやっていく。協働でつくり出していかなければ、これからの社会モデルというのは実現できないのだと思います。行政における財政資源は限りがあります。その意味で、パートナーとしての県政を確立することができるかどうかが成功か失敗かの分かれ道になるというふうに思っておりまして、この点をぜひ推し進めてまいりたいと考えております。  また、産業の未来をつくり、そして雇用を創造するということも大切だと思います。結局、国政もそうでありますけれども、山口議員がおっしゃったように成長戦略をしっかりやる必要がある。このことは本県の県政の一番大きな課題ではないかと思います。やはり従来型産業が曲がり角に来ている、産業は生まれ変わらなければならない、また、海外展開の動きもある中で海外との分業協業体制をこの鳥取県がモデルになって確立をしていく、そうした方向性を出していく必要があるだろうと思います。農林水産業の分野もそうでございまして、そういう意味で産業の未来、雇用の創造というのは一つのテーマだと考えております。  さらに、暮らしに安心をもたらす県政というものもつくり上げる必要があると思います。がん対策を初めとした命を守る医療、健康、福祉の行政というのは重要な課題になろうかと思います。安心して子育てができるとか、あるいは人権や男女共同参画だとか、そうした意味でさまざまな政策課題が地域には横たわっているわけでありますが、いまだ十分な解決がなされたわけではないと思います。私は、鳥取県というのはそういう温かみのあるところをつくり出せる、すなわち支え合い、愛情で支え合うというような、そういう地域モデルを確立できるだろうと思います。今回の雪害における人々の働きもその証左であったと思います。  あと、こうした地域モデルを確立していくためには、「人財・鳥取」、鳥取県の宝としての人材をつくり上げていかなければなりませんし、そういうことを通じて鳥取に誇りを取り戻すということ、輝きとか彩りを鳥取の中で取り戻すことによりまして若い人たちが帰ってくる、誇りを持てる、自慢ができるということではないかと思います。例えば国際的なリゾート地として鳥取を売り込んでいく。これは国内向けにももちろん同じことが言えようかと思います。そのための材料としてマンガサミットを誘致するとか、あるいは植樹祭や豊かな海づくり大会のような全国規模での大会の誘致も行ってまいりました。それから、海外からそうした人を呼んでくるようなことも含めたアーティストリゾート、その萌芽も生まれつつあると思います。鳥の劇場だけではなくて、このたびは中部で新しい劇団が活躍し始めました。こういうような目線で地域の輝きというものをもう一度つくり出していく、これを本気でやってみる必要があるのではないかというふうに考えております。こういういろんな思いを込めまして、みんなでやらいや未来づくりを訴えかけさせていただき、鳥取の新時代を切り開いていきたいと思っております。  議員のほうからは、さらに現政権は地方公務員の総人件費のカットなどをやっている中で国家公務員のカットなどは十分でないのではないか、全く不可解であるというお話がございました。  議員が御指摘いただきましたとおり、地方はなべて地財ショック以降急速にこうした行財政改革を進めてきております。国のほうはその中でまだ停滞感があります。平成13年度以降、21年度ぐらいまでのデータを見てみますと、地方全体では16ポイントぐらい定員を削減してきております。それに対しまして、国全体ではわずか2%の削減ということであります。人件費についてもほぼ同様なことが言えるわけでございまして、本県では平成19年度からこの方、大体10ポイントぐらいトータルでの給与費を削減してきておりますけれども、国全体ではわずか6%そこそこというような状況でございまして、このように国のほうのトータルの努力がまだまだ十分ではない。片方で地方に無駄遣いがあるかのように喧伝をしているという矛盾を多くの地方団体関係者が感じているところであります。  国のほうでは、現政権は人件費の2割カットを国家公務員についておっしゃっておられます。ぜひそういう目標を達するように精力を上げていただきたいと思います。早速壁が横たわっているというような感じで停滞感が見られるわけでありますけれども、ここに大きなメスを入れるのであれば、地方に対する国の権限移譲、それから人員の移譲も思い切って行うという必要があるのではないかと思います。私ども鳥取県は、このたび関西広域連合に加入をいたしました。また、九州のほうでは九州全体での受け皿たらんという新しい地方制度を要望されています。このような動きが地方でも出てきております。都道府県には移譲するものはないと言わんばかりの状況でございますけれども、ハローワークでありますとか、さまざまな受け皿たり得るものはたくさんあるわけでございまして、そうやって国と地方との重複部分を減らすことでトータルで2割カットということをおっしゃっていますけれども、そうした人件費カットを国、地方を通じて行っていくことは、私は可能な範疇だろうと思っております。そうしたところに手をつけていかなければ、なかなか達成も難しいのではないかというふうに思います。  鳥取県では鳥取県型の行財政改革を進めてまいりまして、この議場での議論に基づき、わたり廃止を完成まで導いてまいりました。また、やはりこれも議場での議論の中から生まれたことに尽きるわけでありますが、人事委員会の勧告につきましても、民間のデータに依拠しながら、鳥取県独自の動きに今進んできております。このような中から先ほど申し上げましたような行財政改革が結果として生まれてきておりますし、これは県民意識にもかなうところではないかと思います。国もこうした地方の動きをぜひ見習っていただきたいと思います。  次に、今回の国の予算案に対する率直な評価はどうであろうかというお話でございます。また、あわせまして子ども手当の財源についての地方負担問題はいかがだろうかというお話がございました。  この予算案につきましては、税収以上に借金が多いという2年目の予算になりまして、非常な不安感を持っております。これは多くの国民も共有しているのではないかと思います。そういう意味で、今与謝野大臣を政権の中に引っ張り込みまして社会保障と税制を通じた改革をしようとしていますけれども、この議論自体は、私はぜひ進めるべきものではないかと思います。もちろん、これについて政治的なスタンス上の議論はいろいろとあるのかもしれませんけれども、長い目で見た我が国の行き方として、こういう議論は避けて通れない状況に来ているのではないかと思います。  その中で、子ども手当の問題も議論されています。地方団体は六団体全体として、これについては非常に問題点があるのではないかとかねて指摘をさせていただいてきております。と申しますのも、本来こうした社会保障だとか社会福祉につきましては、サービス給付は地方団体が担当する、ただ、金銭給付については国が担当するというのが本来ではないかと考えてきております。これは一定の合理性もございまして、現場に近いところでどんなサービスが一番現場に適しているか、しかも効率的に提供できるかということを工夫、改善できるわけでございます。お金については一律に幾ら配れということは地方では工夫の余地はないわけでありまして、口座振り込みをすればいいわけでありますから、国全体で一律にやってもらうというのが本来ではないかということであります。現に年金制度とか、そうしたところをとってもらえば、むしろ国のほうが放さないぐらいの主導権を握ってやっているわけでありまして、子ども手当に限って地方のほうに負担を求めてくるというのは、マニフェストの問題もありますが、制度上の問題点があるのではないかというふうに考えているところであります。  これは従来から申し上げてきておりますが、ぜひ国としても改善をしてもらいたいと思っておりまして、地方六団体からも協議させていただいております。国のほうでは引き続き改善していこうという考え方が政府内でもございまして、今後大いに議論をしてただしていただきたいところだというふうに思います。  この問題につきましては、世上報道されているところでは、子ども手当法案の修正協議が野党の一部と民主党の間でなされているのではないかというようなことが出始めたりしてきておりまして、その成立自体が不透明であったり修正されるような可能性もあるのかもしれないと思っております。  私ども鳥取県として、ではこの子ども手当をどういうふうに予算計上するかというのは悩んだわけでありますが、いろいろとリサーチをしてみますと、県内の市町村としてはなべて計上するという方向になりました。そうであれば、我々は間をつなぐだけの立場でございますので、県としてはやはりふろしきに包むものは包んでおかなければいけないだろうという考え方で子ども手当は計上させていただくことにしました。ただ、問題点はあるので訴えかけは続けさせていただきたいと思いますし、修正等の動きもございますし、否決の動きもございますので、我々としては児童手当という旧に復したとしても、そのまま適用できるような、すなわち6月に配るというのが最初のことになりますので、そういう予算上の工夫をさせていただいて計上させていただくということにいたしたところであります。  また、国の予算についてでありますが、先ほど大枠の話を申し上げましたけれども、個別のことにつきましては、例えば倉吉関金道路の新規着工を認めてもらったり、それから、境港の中野の国際貨物ターミナルの可能性調査について計上されたり、個別のところでいろいろと箇所づけも出てきております。そうした意味で、県としても評価すべきところも入っていようかと思っております。  特に、これは10県そろえて、ほかの県と共同して行ったことでありますが、高速道路のミッシングリンクをつないでくれという要請活動を行ってまいりました。国全体の公共投資が5%カットされる中でミッシングリンクについては5%アップするという予算になりまして、そうした意味では、我々のような地域間格差に悩むところに対する配慮もしてもらえたという手ごたえは感じております。ただ大きな問題が横たわっておりますので、いずれにせよ、国会において十分な議論をしていただき、未来に向けての方向性を出していただきたいと思っております。  次に、赤字国債の状況がございまして、国債残高が本年度建設国債、赤字国債を通じて668兆円という巨額に上っていると。政府のリーダーであれば財政健全化に向けてどういうふうに対応するのかというお話がございました。また、臨時財政対策債につきまして、国民に向けた説明責任を果たすべきではないか、さらに、臨時財政対策債の発行につきまして、償還年数の問題もあわせ、国に是正を求めていく必要があるのではないかという御指摘がございました。  現在のこの財政状況を打破していこうと思えば、私は根本的な政治スタイルといいますか、国のスタイルを見直すべき時期に来ているのではないかと思います。それについては、議員もおっしゃいましたけれども、一つは経済の問題、経済成長が今低成長時代に入りました。バブルがはじけて以降は0.8%成長という状況でありますので、極めて停滞感があるわけでございます。かつては2けた成長などもあった我が国から考えるとそうであります。他方で、中国とかそうした対岸諸国の経済成長は著しいわけであります。ではアメリカは停滞したかというと、アメリカも成長しているということでございます。だから、実は日本のそうした産業政策を根本からもう一度問い直すべきではないかというふうに思います。  高橋是清がかつて財政再建を果たしたわけであります。当時も大変なデフレーションがございまして、そういうデフレの中から立ち直っていこうということでございましたけれども、当時、決して明確に意識はされていなかったと思いますが、一つにはいわゆる堅実的な方策をとったり、それから、通貨の発行券につきましては、金本位制から転換をしまして、これが貨幣の流通にも影響しまして、デフレーションといったような貨幣政策にも実は変化をもたらしたわけであります。  こういう根本的なことをやはりやっていかなければいけない時期に来ているのではないかというふうに思います。その際に、やはり国民の声に耳を傾けるべきではないかと思います。上杉鷹山も財政再建を果たした殿様として有名なわけでありますが、一つにはそういう特産品づくりなどの経済振興を図りましたし、政府としての予算、すなわち藩財政のほうは緊縮すべきものは緊縮する、節約すべきものは節約するという、いわば事業仕分けのようなことをどんどんとやっていったわけであります。ただ、大切だったのは、上申書が出てくると。そういう人々からの申し立てを受け付ける上書箱というのをつくりまして、それで人々の声に耳を傾けようとしたわけであります。こうしたいわば行政の基本とでも言うべきところに国全体がもう一度回帰していくべきなのではないかと。いろんな党派的な対立などもあってにぎやかな国会ではございますけれども、もっと大上段の転換を図るべきときではないかというふうに思います。  世界的に見ても、今イギリスのキャメロン連立政権などの動きを見ますと、片方で財政再建をやるということでございまして、歳出カット、各省庁が20%カットするということをやり始めるわけでございますし、それから、税については増税をしようということでございまして、高所得者の負担のあたりにもメスを入れてやっていくということをしています。そうやって国民のコンセンサスを得ながらやるという努力は世界じゅうでやっているわけでありまして、我が国としても相応の対応が求められるのではないかと思います。  臨時財政対策債については、議員がおっしゃるように公債費の26.7%を占めるぐらい非常にウエートがふえてきております。特に憂慮されますのは、臨時財政対策債を発行するその目的が臨時財政対策債を償還するためだというパーセンテージが上がってきているわけです。これも1兆円を超えてきております。いわばたこ足状態になっておりまして、これを続けますとどんどんと膨らんでいくという、いわば麻薬的な状況になってきておりまして、やはりこの現状は打破すべきものではないかというふうに思います。国に対してぜひとも是正を求めていきたいと思います。  鳥取県としては自衛策も講じ始めたいと思っておりまして、このたびの2月補正の中では、事実上の繰り上げ償還でありますが、116億円計上いたしまして、将来の借金返済の引き当てにしようと積み立てを行おうとしています。そのうちの40億円余りは臨財債部分でございます。これで例えば20年償還のものを10年で返すとかということも含めまして将来負担を減らそうということをしようとしています。  次に、一括交付金につきましてでございますけれども、本来あるべき姿と異なるのではないか、政府に是正を求めるべきではないかというお話でございまして、これは今議員が御指摘になったことは全く同感であります。自由度が少ないです。すべて会計検査が入ります。自由度が少ないというのは、従来の補助金のメニューのままで執行しなさいとなっています。そういうような意味で、本来地方が求めてきたものとは異なるものになってきております。ぜひ財政力に配慮するとか、社会資本整備の状況に配慮するなどして、配分基準も確立してもらう必要があると思います。  正直申し上げまして、今の国の作業はおくれております。今もって状況が判明しないということで、今回も計上をある程度抑制させていただかざるを得ないということになりました。国としては予算成立後に初めて総額の9割ほどの継続事業分を明らかにするとか、さらに7月に残り1割の自由度の高い部分を明らかにするというふうに言っていまして、これは当初予算編成の実務を全くわかっていないということではないかと思います。  今回の一括交付金の制度づくりを見ておりますと、最初各省から出てきたのが非常に少額であったということで、これをふやそうというほうに力点が行ったのではないかと思います。確かに額は5,120億円までふえましたし、総務大臣もその点胸を張っておっしゃっていますけれども、ただ、その際に地方との協議は余りやっていません。むしろやっていたのは各省間の折衝ばかりでございまして、結局国の役所の中の妥協案ででき上がったのが今の5,120億円だと思えてなりません。現場のほうをもっと見て制度設計をやり直すべきではないかと思います。これは地方団体、知事会からもかなり強烈なアピールをしているところでございまして、次は市町村に一括交付金が拡大をしていきますので、今の都道府県のことはテストケースとしても是正を図っていただきたいと思っております。  次に、県税収入の見通しについてでありますけれども、本県の県税収入の確保が果たして可能なのかというお尋ねでございます。  今回425億円の税収を見込んで当初予算を組まさせていただきました。確かに対前年では2.3%の増ということになってございますけれども、実はこれは決算見込みから比べますと22億円の減ということでございます。5%の減でございまして、今年度よりはトータルで減るだろうというのが正直な見込みであります。企業にも調査をしました。企業さんからの税収は前年並みを確保できそうだという感じがいたしております。ただ、問題は個人の所得課税のほうでございまして、個人住民税につきましては大幅に減る見込みがございます。大体12億円ぐらい減るというような状況にございまして、我々としては全力を挙げて今の計上額425億円を確保するようにきちんとした税収確保を図っていきたいと考えておりますし、それも可能な範囲内ではないかと見積もりをさせていただきました。  次に、中小企業に対する軽減税率は県内経済にどういう影響をもたらすかというお話でございますけれども、これにつきましては、国税も合わせまして中小企業は大体9億円ぐらいの減税幅になるかなと見込まれています。また、県内の大企業につきましては1億円程度の減税幅かなという感じでございます。県内の中小企業は9,000社あると言われていますが、このうちの赤字法人が圧倒的多数を占めて、7割方がそうでございます。残り3割方ほどでございますので、その減税の効果というのは限定的なものかと思われます。若干心配されますのは、いろんな償却とかそうした税制上の改正もございまして、プラスに作用する会社とマイナスに作用する会社の両方があるかと思います。ただ、県内経済界は非常にこの点については好意的に見ておりますので、一定の効果があることを期待いたしたいと思います。  また、あわせて雇用確保のための税制も今回法人税改正として盛り込まれておりますので、この辺も期待できるところはあろうかと思います。ただ、先ほど申しましたように、わずか9億円でございますので、その経済的な影響は中小企業に対しては非常に限定的なことにとどまると思われます。ですから、抜本的な成長戦略の推進のほうが非常に意義を持っているというふうに思います。  次に、地域主権と議会が果たすべき役割などにつきまして何点かお尋ねをいただきました。まず、The perfect answer for needs of todayと、それからDon't put off till tomorrow what you can do todayというお話を引かれまして、要は先送りするなということだとか、現在の時代の課題に向き合えというお話をいただきました。  全くそのとおりだと思います。アメリカでもジェファーソンとかリンカーンだとかも同じような言葉をよく引用されていました。その後段のほうの、きょうできることはあしたに先送りするなというのは古くから言いならわされたことわざでございまして、こういうことは政治の世界、行政の世界でも当てはまるだろうと思います。特に年初の雪害のような状況、一分一秒たりとも無駄にできないということであります。内村鑑三も一日はとうとい一生であるというふうに言っています。決して無駄にできない時間というのがあることを我々は肝に銘じなければならないのだと思います。  次に、職員の給与体系だとかアウトソーシングにつきまして、議員が35年前の本会議場などの例を引かれまして、かねて指摘をしてきたと。そういう県職員給与だとかアウトソーシングについてどうだろうかというお話でございます。  この点につきましては、先見の明があったということに尽きるだろうと思います。当時おっしゃっていた議論は、実は今でも妥当します。当時の給与の問題は全国でも問題になり始めた時期でありまして、当たり前のように地方公務員のラスパイレス指数が国を上回るというようなことが言われていました。国としてもその給与を是正するために地方債のカットをするとか、そうした制裁もちらつかせながら動き始めてくるというような状況でございまして、議員のこの議場での議論というのは、当然ながら的を射たものだったと思います。  この給与の問題というのは遅々として進んできておりませんでした。本県でも前の片山知事のときに一時的な給与カットを行いましたけれども、あれはニューディール政策ということで、そのカット分を今度は別の費目に使うということでございましたけれども、そういう一時的なカットはその後で戻されました。旧に復されて私のほうに引き継いだという格好になりました。その一時的な給与カット分を除きますと、実は平成19年までずっとラスパイレスは本県は100を上回っていました。見かけ上は減ったように見えていましたけれども、現実問題としてはそういう状態は続いていました。それで鳥取県型の給与構造改革をやろうではないかと、それから定員を抑制しスリム化を図っていこうということで、これは職員団体の御理解も得ながら進めてきたわけでありますが、最近ようやくラスパイレス指数が一時的な給与カットを除いて100を切ってきておりますし、現在では95ぐらいの水準まで来ております。  それから、アウトソーシングにつきましても、民間委託はこの4年で34件進めることなどをしてきておりまして、現在では当時の議論を地でいくかのような行財政運営へと転換をしてきています。  次に、さまざまな県政上の課題につきまして、議会が果たした役割のお話がございました。例として、中海干拓の凍結・中止の問題、それから米子空港の2,000メートル化の問題、財政窮乏県連盟の問題などの御指摘がございました。車の両輪である議会の議論が引っ張った好例であっただろうというふうに思います。  中海干拓とか淡水化事業につきましては、昭和63年に歴史的な転換を鳥取県議会が先鞭をつけてやりました。これは当時の記録を読んだり、あるいは先輩方のお話をお伺いするわけでありますが、米子の国際ホテルに当時の山口県議会議長とか、あるいは角田議員とかいろんな方々がお集まりになっておられて、そこに県の幹部が呼び出されて、これから方向転換を図るというお話があり、その当時の知事への連絡だとか隣県の島根県への連絡などをそれから慌ててやったというようなことがございました。今から考えてみますと、当然歴史の責務として担い手である議会が果たすべきことをやり、その主導をしてもらったのだろうというふうに評価できようかと思います。  2点目にありましたような米子空港の2,000メートル化の漁業補償問題につきましても、なかなか役所スタイルで解決しにくいところではありましたが、島根・鳥取両県で議会のほうから5人委員会が出られて、山口議員だとか常田議員、長谷川議員、石黒議員などが出られまして協議をしたり、実際漁協ともコンタクトをとられて方向性を出されたと、これも記録として拝見させていただきました。2,500メートル化がついせんだって完成したわけでありますが、これもそういう営々たる行動力のたまものであると再認識をさせていただきました。  さらに、財政窮乏県連盟のお話、これもよくお伺いする話でありますが、私自身も国の役所のほうにいましたので、その存在は当然存じ上げておりました。交付税の世界でいいますと投資補正というものがございまして、財政力だとかそうした状況が反映されることで交付税をいわば傾斜配分するという仕組みがビルトインされるようになったのは昭和62~63年ごろだったと思います。そうした時期に議会での質問を皮切りにして導いてこられたということでありまして、今日の鳥取県財政が維持できているのにも貢献をされたと思っています。  やはり民主主義というのは事ほどさようなものでありまして、みんなでやっていかなければいけないということだと思うのです。首長には首長の役割が当然ありますし、議会には議会の役割があります。それをそれぞれが全うし、時にどちらかが引っ張り合ってお互いに前へと進んでいくからこそ、車が両輪で回る値打ちがあるのだろうと思います。私とて当然万能ではありませんし、一人きりの人間でございますので、やはり日々導いていただける議会の存在というのは重要だというふうに考えているところであります。  さらにウラジオストクの鳥取事務所のお話、次に集団見合い等のお話、地域づくりのお話などもございました。  このウラジオストクの鳥取事務所のことでございますが、ゴーリキー劇場内に平成5年に開設をされたわけでありますが、くしくも私自身がその同じ道をたどってウラジオストクに渡り、同じように向こうで貿易をサポートするトレードセンターを開設するということになったわけでございまして、何か先回りしていただいたなというような気持ちがいたします。北東アジア交流はこれからの鳥取県のバイタルな生命線だと思います。他地域と差別化をしていかなければならない、さらに、明らかに日本だけで世界経済はもっていないわけでありますから、対岸諸国と結びついて物事を進めていかなければならないと思います。  私はダリキン知事と昨年5月に友好の姉妹提携を締結しましたし、11月にはシュポルト・ハバロフスク州知事と友好交流の覚書を結びました。こういうようにして一歩一歩その信念を貫いてまいりたいと思っております。  集団見合いなどにつきましても、ときめき☆巡り逢いコーディネーター事業というのをつくらせていただきました。これも議場での御議論もございまして、なるほどそうだなと思って始めたわけでありますが、非常に好評であろうかと思っております。現在まで167組のカップルが成立しています。一たん成立した後どうなったかわかりかねるところもございますけれども、1,000人近い登録者もございまして、機能し始めていると。これは他県でも取り組んでいるところでございますが、こういうようなことを意欲的にやっていくことで初めて地域づくりの局面が開かれるのだと思います。  次に、自治体会計のあるべき姿につきましてお話をいただきました。第1点として工業団地についてでございますが、竹内工業団地などのことでございますが、ダイエーの進出計画のお話も絡めまして、もっと時代の変化に柔軟に対応すべきではなかったか、決断すべきときは思い切って決断すべきではなかったかということでございます。  当時はバブルがはじけるころでございまして、県の対応だけでもなくて、ダイエーさんは福岡に福岡ドームをつくろうというようなビッグなプロジェクトが同時並行で進んでおりまして、それとあわせて境港の開発をどうするかということだったわけでありますが、正直手が回らなかったのでありましょうし、その後、財務体質が一気に悪化しました。こんなことなども予兆があったということであろうかと思います。中内オーナーの決断もあったというふうに仄聞はいたしておりますが、いずれにせよ、そういう時期に応じた臨機応変な対応が必要なことは我々のほうとしては肝に銘じなければならないと思います。  今後も、崎津もございますし、竹内もまだ未売却地がございます。この辺はぜひ我々としても精力的に取り組んでいきたいと思います。この平成22年にも40社余り回らさせていただいております。ただ、販売というのはなかなか一朝一夕に成るものでもございませんし、特に崎津の場合は下水道の問題もございまして、これが通じてくるのが、今大分早まってきてはいますけれども26年ぐらいかなというようなお話もございまして、そういう米子市側の協力も取りつけなければならないという隘路があって、まだ地道な検討と努力が必要だと考えております。  次に、造林公社についてでございますけれども、これについて群馬でも解散をしたような例も出てきているけれども、存廃も含めて本県としてどういうふうに考えていくのかというお尋ねをいただきました。  これにつきましては、公社の将来負担を考えてこれまでも経営改革を進めてまいりました、平成14年、18年とやってまいりました。まだ将来負担が残っている状況でございます。今、検討委員会をやっていまして、そのあり方の検討を進めております。ここで精力的にいろんな立場からの御意見を入れていただいて考えていくべきだろうと思っていますし、その答申も受けて我々執行部側でも答えを考えていきたいと思っております。  ただ、一つの視点としては、今森が動き始めている、山が動き始めているという状況がございますし、低コスト林業化を県としても進めておって、それが一定の成果もあらわれてきていることもございますので、できる限り県民の負担にならないような方策を模索していきたいと思っております。  最近でも滋賀県が特定調停に持ち込みまして、大幅な巨額の債権放棄を行うということになりました。これはいわばチャラになりまして債務的には軽くはなりますけれども、ただ、県有林等で相変わらず森林経営も続きます。群馬県などもそうでございますけれども、課題が一挙に解決されることにもなり切れないところもあります。できるだけ森を活用しながら、そこでお金を生み出して県民の負担を小さくする、あるいはなくしていく、逆にプラスにしていくというところに持ち込むにはどういうふうにするのかという、ぎりぎりの検討まで進めていくのが本来賢明なのではないかというふうに思っております。  今、93億円ほど将来負担が残った形になってはいますけれども、国のほうの支援措置だとか、あるいは造林上のいろんな工夫、間伐材を持ち出す、それから団地化をしてコスト安にして持ち出すとかというようなことをやっていって完全に解消できない額でもないかもしれないと思います。ただ、まだ吟味が必要でありますし、よく検討させていただきたいと思います。  次に、会計についてのお話がございました。バランスシートを充実させるとか発生主義に基づいた複式簿記などの計算書が必要ではないか、また、会計情報のあり方を検討して、県民にとってわかりやすくすべきではないかというお話でございます。  これは、いずれも我々としても課題として考えていきたいテーマでございます。まずバランスシートだとか発生主義会計でありますが、これは東京都がやっていまして、私どものパートナーでもあります大阪の橋下知事もかなり傾倒しておられまして、関西の知事会で集まりますとこの話が必ず出ます。  非常に興味深いやり方でございますけれども、実はこれは鳥取県が先導して最初はやっていたわけであります。バランスシートのような会計をつくろうということをいたして、もう10年ぐらいになるかと思います。それで一定の成果は出てきておりますけれども、さらに再評価をするとか、そうしたことを盛り込んでいこうということでありますし、複式簿記化しようということでございますが、これをやろうと思いますと、大体9億円、10億円といった単位での導入経費が要ります。それから、あと専門的な知識がどうしても必要になりますので、最低でも3人ぐらい雇うとか、そういうように追加の費用が出てまいることになります。その辺がちょっとちゅうちょするところでございます。  そこで、今関西で話し合っておりますのは、ちょっと一緒に勉強会をしてみようと、共同でやることでその辺のコストを削減できるとか、隘路が解消できるかどうかなど、その辺の検討もしてみようというような話をしているところであります。
     会計情報につきましては、できるだけわかりやすく提示しようということで改革を進めてきておりますが、なお一層進めていきたいと思います。わかりやすいのは、例えば全国の中で鳥取県会計は今どの程度の状況なのかということを随時お示しをすることではないかと思います。現実に今データは、財政力指数は相変わらず全国で45番目という非常に低迷状況にございますけれども、ただ、そういう中にあって、このたび決算を打ってきているところでは、実質収支比率は全国でも第1位でありますし、それから、将来負担比率は全国でも第3位とか、そういうように非常にパフォーマンスのいい財政構造へとこの4年間で転換をしてきました。経常収支比率も高かったのですけれども、現在では全国第4位まで引き上げてきております。例えばこういうわかりやすい相対評価のような指標を積極的に盛り込ませていただいて、それをベンチマークにして評価していただくとか、改善を図ってまいりたいと思います。  次に、リスクマネジメントとクライシスマネジメントについて何点かお尋ねをいただきました。まず、豪雪に対しましてこうしたマネジメントは十分だったのか検証すべきではないだろうか、教訓があるのではないかというお話でございます。  リスクマネジメントという、災害が発生する前にそれが起こらないようにする、さらには起こったとしてもそれを最小化するようなことを徹底すべきでありますし、また、クライシスマネジメントとおっしゃるように、実際に起こってしまったときにいち早くそこから復旧をしていく、それから救出をする、そういうコントロールをトータルでやるべきではないかということでありまして、これはおっしゃるとおりであります。  今回さまざまなことがありました。議員がおっしゃった倒木被害というのは予測できなかったのかというお話がございますが、これは正直予測を超えるものでありました。恐らく全国どこをとっても、6,700本も沿道で木が倒れたり折れたりするところというのは予測はできないだろうと思います。今回それだけ素早く雪が積み上がってしまった、しかも重たい性質の雪だったということは当然あろうかと思います。船が想像以上にひっくり返ったのもその証左であろうかと思います。  ただ、おっしゃるように、司令塔の問題であるとかお互いの連携の問題であるとか、解決すべき課題があるだろうと考えまして、私が国交省に抗議したこともあるのですけれども、1月6日には早速に国交省の道路部長が広島からやってきまして話し合いをし、そういうリスクマネジメント、クライシスマネジメントをやろうということにしました。現実に1月16日にも似たような状況がございまして、タンクローリーが2台事故に関与したことで閉塞状況が起きましたが、このときは苦情もなく、割とスムーズに短時間で処理ができたということになりました。その際には、国交省に協力して県が迂回路の除雪を優先的にやる、それから、迂回路に向けた誘導などに町が協力をするとか、前の年末年始にはなかなかできなかったことを事前の打ち合わせに基づいて速やかにやったということが背景にあります。こういうような話し合いを例えばライフラインの中国電力だとかいろんなところと今話し合いを始めておりまして、最終的には県のほうの災害対策の地域防災計画の中に盛り込んで変えていきたいと思っております。  次に、白ネギ、ブロッコリー、漁船などの被害があったけれども、そうした被害状況や復興に向けた対応状況についてというお話がございました。  これにつきましては大体15億円ぐらいの被害があるというふうに考えておりますけれども、今議会の提案、それから予備費や既存の予算も含めまして、速やかに復興しようというふうにしております。今徐々に進んできておりまして、例えばイカ釣りの比較的大きな船が転覆しました。これを今直している真っ最中であるとか、幾つか船の修繕が始まってきております。また、農業関係では、白ネギだとかの販売戦略を展開するとかということをしてきてございまして、皆様にも御協力いただけたらと思いますが、それでもちょっと売りにくい白ネギについて、県庁のほうで販売させてくれないかという依頼が農業団体からも来たりしておりまして、そのようなことをこれから精力的にやっていきたいと考えております。  その一環として、山陰自動車道の早期整備につきましては、国に対してこの機会に二度ほど波状的に要望もさせていただきましたし、粘り強く働きかけをしてまいりたいと考えております。  今回の災害のように人工透析患者に大きな影響を与える可能性がある、このことについての対応は十分なのかどうかというお話でございます。  これは、反省を生かして医療当局ともこれから話し合っていきたいと考えておりますが、なかなか車が動かないものですから、稼働しているというか、動いている、そういう病院のほうに13件ほど結局救急搬送するということが起きました。それから、これは必ずしも人工透析に限りませんが、4つの病院で停電が発生をしまして、幸い自家発電でつないでいったということになりました。中には1月1日の人工透析を2日にずらしてもらうとか、そういうような対応をとったところもあります。今回、関係者が努力をして結局人工透析で非常に致命的な問題というのは起きなかったとは思いますが、医療関係についても問題点を拾い出して今後の教訓としていきたいと思います。  次に、市町村合併についてのお話がございました。鳥取市の市庁舎の建てかえについて交付税措置がされるのか、それから、駅前の移転構想があるようだけれども市から相談を受けているのかというお尋ねでございます。  これにつきましては、元利償還金の70%の交付税算入がございます。95%の充当で70%でありますから、6割方算入されるということになります。ただ、もちろんこれは理論計算でございますので、どの程度入るかというのは個別にきちんと計算してみる必要があろうかと思います。  これは将来にわたってその算入が保証されるかということでありますが、これは制度改正がない限りは保証され得るものだと思いますし、我々としてはそういうふうに考える以外にはないと思います。  ただ、現在の総務大臣がこの合併特例債には否定的な発言を議場でも繰り返されていましたので、もし思い切ってやめてしまえと言われると瞬時にして泡と消えるということになるかもしれませんけれども、ただ、これは制度の問題でございますので、継続される限りは交付税措置はされるものだと思います。  駅前への移転などについての協議はあるのか、土地のことはどうなのかということでございますが、その移転について具体的にこうしたいということでの相談が来ているわけではありません。ただ、駅の前の広場をどうしようかという県と市の共同作業もございまして、この点については土地と絡めて従来から協議をしてきています。片山さんの時代まで、この駅北広場の整備は結局遅々として進まなかったです。いろんな立場の違いとか意見の相違もあるのだと思いますが、うまくすり合わせができませんで、やろうと言っては消えるということが続いていたわけでありますが、私が当選した後、この問題を正常化しまして、御案内のように駅前広場の整備が進みました。その過程におきまして、これは実は県のほうからでございますけれども、平成21年の段階でこの駅のところの底地の問題と、あるいは西高を初めとした県有地がございますので、この辺を再整理して、やはり広場の運営などは市が責任を持ってやるのが本来だと思いますので、都市計画の問題もございますので、そういう整理をすべきではないかという投げかけをしたこともあります。ただ、それは実は県側の事情でちょっと進みにくくなりまして、こうした鳥取市と鳥取県との間での土地の整理、交換などの話というのは、そのとき以来ずっと続けて協議はしてきているという状況でございますが、具体的にどことどこを交換しようというような話に至っているわけでは当然ながらございません。  次に、住民目線で市町村合併によるメリット、デメリットを総括すべきではないか、市町村の行政サービスについて積極的に支援すべきではないかというお尋ねをいただきました。  このことにつきましては、やはり功罪両方あると思います。ただ、前向きにやはり物事をとらえられるところもあろうかと思います。例えば、効率化を図って行政を高めていこうということにつきましては、平成16年の4月から平成22年の4月にかけまして、職員の数で大体9%強減ってきておりまして、その意味でスリム化が図られたというようなことがございますし、例えば子育て関係だとか防災関係だとかで専門的なポストを設けたり組織を設ける。結局大きな組織になりますので、その分人材を専門化させやすいということもございまして、そういう効果があらわれたり、合併で所期の目的としているところは反映されている面もあろうかと思います。  ただ問題なのは、特に大きく合併したところですね、巨大合併都市等におきましては、毛細血管に当たります従来の役場が果たした機能を今の支所などが十分果たし得ているかどうかについて、住民の間でいろんな議論が起こされていることは御高承のとおりだと思います。そういう意味で、これはもう一つ住民参画だとか、それから行政サービスの提供のあり方だとか、そういうさまざまな工夫が市町村合併の次の課題としてまだまだあるということをあらわしているのではないかと思います。  これに関連して、市町村の行政サービスが低下をしているのではないかということで、支援すべきというお話でございますが、来る統一地方選挙で投票所が減るというような課題がございます。そういう際に、中山間地の人が投票に行きにくくなるということにならないように、バスなどで投票行動を支援しようということをやるべきではないかと。議会側のいろんな御意見もございまして、それについては、本来は投票所の管理者は市町村でございますけれども、投票率を高めるという広い啓発の意味もございますので、県としてもその助成をしようと、支援をしようということに踏み切らせていただき、議案を提出させていただいております。このような局面によっては、県としてもそうした市町村の部分にかかわるところでも支援をしていく必要があるかと思います。  例えばコミュニティービジネスなどもそうでありまして、いろんな行政サービスが欠けそうになったときに、それを支え合うような地域の支え合いを支援する中山間地対策だとかコミュニティービジネス対策、こうしたところは積極的に県としても乗り出していくべき分野があるのではないかというふうに考えております。 ◯議長(小谷茂君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時15分より再開いたします。        午後0時14分休憩    ────────────────        午後1時15分再開 ◯副議長(斉木正一君)再開いたします。  引き続き、26番山口享議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)引き続き、山口議員の代表質問にお答えを申し上げます。  まず第1点目として、人口減少社会における農業問題、経済対策についてお尋ねがございました。人口予測ではどんどん鳥取県の人口が減少する状況をどういうふうに考えているのか、移住定住や交流の対策はいかがか、さらに、引き続きまして交流の持続性、新たな交流資源の発掘を今後どういうふうに進めていくのかというお尋ねをいただきました。  議員のほうから御指摘いただきましたのは、土居英二静岡大学名誉教授の算定の数字ではなかったかと思いますが、本県も2050年まで行きますと39万人になるのではないかと、そういう予測データもあります。同じ土居教授によれば、島根県はそのとき40万人だと。山陰両県とも、特に島根県側は鳥取以上に減少が見込まれるという算定になってございますが、そういうようにどんどん人口減少が進んでいくということにされています。  これは議員のほうでも御指摘いただきましたように、生産年齢人口が減ることもございます。それは活力が失われることにもなりますし、さらに中山間地などの荒廃が一層進むということにもつながってくるだろうと思います。したがいまして、そういう状況を打破していくために、御指摘がありました定住対策だとか移住対策だとか、そうした取り組みが急がれるのではないかと思います。  ここに来て、今ようやく鳥取県もこういう移住だとか定住、住みかえの考え方が広まりつつあるのではないかと思っております。私も就任以来、この辺が一つのキーポイントになるだろうと。人口が60万人を切るという住基台帳の数字が出たときを契機にいたしまして、それまでの県政の方針をひっくり返しまして移住定住対策に取り組むということにさせていただきました。市町村も取り組んでおられますが、それとタイアップしてやっていこうということにいたしたわけであります。その結果として、平成19年度には65人の移住者でありましたけれども、今年度はこの12月までの間で既に450名程度の移住者があるというふうに、非常に急ピッチで移住者がふえてくるということになっております。  このような対策を進めていくわけでありますが、その戦略をどういうふうに持続させたり交流資源を拡大していくのかということでございますが、一つには、我々のほうに引き込んでくるための交通ソフトインフラも含めた対応が必要なのだと思います。この4年間大交流時代をつくり上げていくという考え方で米子~ソウル便の維持やDBSクルーズフェリーの開設などの課題に向き合ってきました。さらに一層、こうした交流の起爆剤になるような、そういう要素をふやしていくべきだと思います。今、予算にも出させていただいておりますのは、アジア全体でクルーズ船を立ち寄らせようではないかと、観光客の行き来をさせようというプロジェクトがありまして、境港もこの戦列に加わろうとして現在予算を提案させていただいたところであります。これ以外にも国内外を含めたチャーター便などいろんな形で人の行き来が可能になりやすい状況をつくり出していくことだろうと思います。飛行場の競争が大変激しくなるなど厳しい局面もありますけれども、アジア全体で空の足を充実しようではないかというベンチャー的な動きが急ピッチで進んでいたり、国内でも航空業界の再編が起こってきております。さらに羽田の枠の拡大もございますので、このような交通ソフトインフラの拡充に向けまして、次の4年間の課題になるかと思いますが、全力を挙げるべきものではないかと考えております。  また、交流を起こしたくなるような、そういう誘因が必要であると。今回の「アテナ」の放映にも見られますように、行ってみたいとか住んでみたいというには何かのきっかけをつくっていく必要があります。映像メディアは重要な役割を果たすという実感を持っておりまして、「ゲゲゲの女房」がその証左でありました。さらに、あわせまして「アテナ」とか、そういう取り組みがございますし、この次に向けて、例えば中部では「遥かな町へ」を映画化したいという動きがあったり、東部でも「父の暦」を映画化したいという動きがあって、ことしは「恋谷橋」が夏に封切られるということがございますが、さまざまな意味で魅力づくりをやっていく必要があるだろうと思います。あと、このような交流とか移住定住を促進するための体制づくりも急がれると思っております。  関西広域連合に入りましたのも、関西の中の一角であるということを人口規模の大きな関西に見せることで、こちらのほうにセカンドハウスだとか移住だとか、旅行のテーマとして頭に入りやすいようにしようというようなもくろみがあるわけであります。こういう関西広域連合での広域的な観光ルートの設定が一つの材料でございますが、それ以外にも山陰本線を挟みまして因幡と但馬が交流をしていくとか、さまざまな交流の体制をつくっていく必要があると考えております。  次に、人口減少に絡みましてTPPについて何点かお尋ねをいただきました。  TPPへの参加問題について慎重に対応すべきではないかということ、2点目に強い農業づくりと言うけれどもどういう農政なのかはっきりわからない、対象作物の拡充や大規模集約化だけで実現可能なのだろうか、さらに戸別所得補償制度の評価、その追加制度はどういうものなのかというお尋ねをいただきました。  TPPは、議員のほうから御指摘がございましたように、非常に大きな影響を我が国の経済、さらには社会に対して与えると言われております。実際にそうだろうと思います。このTPPへの加入につきましては、前回の県議会におきまして決議がまとめられました。慎重に検討すべきという決議でございまして、私どももそれを国のほうへと伝えに行ったところでございます。そのような前議会での合意形成も図られたところでありますが、国全体では農業に対して4兆5,000億円の規模での影響があると言われております。  鳥取県でも同じような試算がございまして、349億円の規模での経済的な影響が農林水産業であるだろうというふうに言われておりまして、この対策とセットでないとこの問題は議論できないだろうと考えております。そういう意味で、慎重の上にも慎重に検討すべきだと思いますが、この週末20日にそうした大会が県内で予定されております。さらにその翌日には消費者団体を中心とした集会も予定されております。私自身も20日の大会に出席をしようと考えておりますし、また3月に入りまして全国規模でのシンポジウムがあります。地方代表として私も招かれたわけでございまして、議論に参画をして地方の立場を主張してまいりたいと考えております。  強い農業づくりについてでございますが、食と農林漁業の再生実現会議を国は設置をしました。この中でこうした強い農業づくりだとかTPPと絡んだ農林水産業対策が議論されるものだと思っております。これは来月にでもそうした方向性での議論を中間取りまとめをするということになっておりますが、まだその内容が詳細にわかっておりません。ぜひ国を挙げてこういう議論をするべきだと思います。  これはTPPに加入するとかいうこと以前の問題として我が国の農業のあり方、多かれ少なかれ国境は取り除かれる方向にありますので、そういう中で競争力を持った持続可能で食糧生産が行え、さらに自給率を高めていけるような、そういう国づくりの政策が求められているだろうと考えております。  このようなことで、強い農業づくりですべてが処断できるだろうかというのが議員の御指摘でありますが、私もそうだと思います。この所得補償制度のやり方ということなどのいわゆるデカップリング的な措置が、弱い農業者、脆弱な農業者、これも食糧生産を支える重大な基盤でありますので、そういうところへの配慮として必要性があるのではないかと思います。  フランスの例でいきますと、実に農業所得の9割はこういう何らかの補償制度で賄われているわけでありまして、その規模を日本にそのまま適用しますと2兆1,000億円を超えると言われています。現在の農政の規模の倍額にしなければならないということでございまして、これは相当思い切った措置になります。果たしてそういう措置も含めた対策を国のほうでまとめ上げることができるのかどうか、その辺の財源はどうなっているのか十分な議論が必要だと思いますし、この議論に注目をしていく必要があると考えております。  戸別所得補償制度についてでございますが、いろいろと評価は分かれるところかと思いますが、非常に大事なのは価格が下落したことでございます。この価格下落についても所得補償の対象になるという制度になっておりまして、来月になると思いますが、これが最終的な、そういう価格に着目した部分の支払いが果たしてどうなるのか、この辺がこれからのテーマではないかと思います。大体10アール当たり1万8,000円ぐらいの価格差の補償が必要になるはずでございますけれども、今の国の予算がそこまであるのかどうか、ないように見える予算組みになっていまして、この辺をどういうふうに政府が取り組もうとしているのかが来月見えてくるのではないかと思います。その辺が評価の分かれ道の一つになるかと思います。  その際に、鳥取県としてこれまで進めてきた集落営農のような、そういう仕組みを阻害する結果になるのかということでございますが、今のところは集落営農等を所得補償制度が入ったのでやめたというような動きには明確にはつながっておりません。逆に飼料用作物、飼料用米ですとか、あるいは県全体での振興作物であるネギやブロッコリーの生産については順調に拡大する、ないし飼料用米などは飛躍的に拡張されるということになりました。この辺は今回の所得補償制度の仕組みが作用したものだというふうに冷静に分析できるのではないかと思っております。ただ、問題となりますのは、我が県の場合はバランスのいい農業形態になっていまして、畜産ですとか果樹ですとかそうした分野がありますが、この辺には今のところ対策が決まっていないと。従来どおりの果樹共済とか、畜産については経営安定制度があるわけでございまして、これを引き続きやっていくというスタイルに来年度の政策選択はなっています。  新年度どうなるかということでございますが、畑作に一部広げられまして、大豆ですとか麦ですとかソバですとか、そうしたところに所得補償が広がっていくことになっております。さらに法人化の支援とか、それから産地化の対策資金が新たに創設をされることになっています。この産地化の資金につきましては、今年度激変緩和措置で入っている同様の資金よりも鳥取県はふえる内示がございまして、その意味では使いやすいことになればいいなというように期待もしているところであります。ただ、冒頭から申し上げているとおり農業全体の厳しい状況がございますので、それを打開していくためには相当思い切った農政改革が求められることになると思います。  次に、人口減少社会の問題に関連しまして、生産年齢人口の減少等が経済に与える影響などの御指摘がございました。そして、あわせて現在の国の税制改正大綱で法人税率の引き下げが講じられているけれども成長戦略に欠けるのではないか、地方経済は果たして好転するのかどうかというお尋ねがございました。  この経済成長につきましては、1968年に日本が西ドイツを抜いて以来、経済大国として全世界で第2位の地位を保ってきましたが、このたび中国に抜かれるというようなことになってきているわけであります。この背景として、確かに議員が御指摘のような生産年齢人口が縮小していること、あるいは科学技術力、あるいは教育の力、この辺が複合的に作用しているというふうに分析され得ると思います。  中国にしてもアメリカにしても経済成長を続けている、アメリカなどは本来日本と同じような筋道をたどってもいいのですが、相変わらず経済成長が続くのは、労働力人口が外国から流入をしてきているということがやはり大きいのだと思います。国内でも南部地域のほうに産業の中心がシフトしていくような方向にありますのは、中南米からの労働者が吸収されているということでありまして、中国も結局農村地域からの人口流入によって安い労働力を支えているということであります。  日本の場合も本当はこの辺のシステム転換について、その可否を真剣に議論すべき時期が来ているのかもしれません。結局、そのパイといいますか、労働力がふえないのであれば、減るのであれば付加価値を高めるというのが一つの戦略にならざるを得ないわけであります。この点で経済成長の切り口を考えていくためには教育力だとか技術力、これが頼みの綱になってくるわけでありますが、この点でもPISAの教育水準の調査によっても、かつて2000年ごろは1位、2位を独占していた日本でありますが、今各教科でその順位が下がってきてアジアの国に抜かれているというような状況にございます。この辺を考えますと、そうした経済だとか技術だとか、それから生産年齢人口についてのあり方などかなり包括的なアプローチをして、もう一度この国を立て直していくことが求められているのではないかというようにも思えるところであります。  そういう中で、今回もそうでありますが国のほうでも一定の施策を出されています。その中には評価に値するものもいろいろあると思いますが、果たして法人税引き下げなどで地方経済が好転するというふうに言えるかというと、ここはまだまだ我々も頑張らなければならないし努力が必要だと思います。  国の経済成長戦略だとかいろんなことがあるのでありましょうか、国全体では実質経済成長率が3年ぶりのプラスに転じたり、また、ことしもその傾向がある程度継続するだろうという見込みになってきています。ただ、地方経済のほうを見ますと、例えば山陰経済研究所のデータなどによれば、横ばい、弱含み、この辺が今の分析でございまして、決して予断を許さない状況ではないかと思います。  足元の鳥取県内の状況でいいますと、企業さんにいろいろアンケート調査といいますかリサーチをかけていますが、やはり業種とか企業によってかなり分かれています。電子機器系のところでは、例えば中国向けの自動車生産用のスイッチが好調であるというような会社さんとか、あるいは新たに電気自動車用のセンサーの受注が見込まれるとか、明るい見通しのところが出始めてきています。リーマンショック前の水準にほぼ戻りつつあるとか、そういう状況が生まれつつあります。食品加工関係などはそうした状況とはまた違うところで、大体ニュートラルに推移をしてきておりますが、素形材産業ですね、素材型の産業のほうは苦戦をしている企業がいまだに見られるというような状況にあります。ですから、単純に好転していくというような状況ではないと私も見ております。  次に、雇用問題についてでございますが、全国的には改善されつつあるものの、いまだ新卒者の状況が悪い、その所感を問うということ、さらに来年度に向けて雇用維持のための中小企業設備投資、独自の制度融資をしているけれども、その内容や効果はいかんという御指摘でございます。さらに雇用基金の事業は切れてしまってどうなるのかという御指摘もございました。  この雇用の状況でございますが、県内の高卒レベルでは71.5%でございまして、いろいろと努力した結果はかなりあらわれつつはありますけれども、平成19年ぐらいと比べますと、あのころはまだ8割を超えていましたので70%台というのは厳しいという状況は続いています。ただ、去年よりも若干は改善しているとか、そんなことはあります。また、大卒のほうでは、本県の場合、58%程度の内定率でございまして、これはここ10年間では2番目のいい水準にはなっています。ただ、その数字自体が58%でありますので決していいわけではありません。  北陸3県、富山、石川、福井ぐらいですと大体85%ぐらいいっているのですね。これは企業や業界さん、経済団体、それから学校だとか行政だとかが有機的にタイアップしまして物づくり産業が立地をしているということもございますが、それで受け入れが順調に進んできているということがございます。本県もやはりそういう官民一体となった努力をするべきであろうと考え、年末から年始にかけまして特別のマッチングなども進めてまいりました。年末から200数十社を回った結果、大体16人ぐらい新たなマッチングができたり、1月にはミニ懇談会をやったり、さらに2月にもそういうことをということで波状的に今向上を目指してやっているところであります。どうしてもという場合には、来年度に向けまして職業訓練とか、また派遣型の訓練、研修形態等とか、そうした工夫を予算上組んでいるところでございます。  この雇用の問題につきましては、御指摘のように雇用基金がございまして、これが下支えをしてまいりましたが23年度で切れるという政府の方針であります。一部は繰り越し可能な情報も出てきてはおりますけれども、基本的には23年度で終了することになりまして、その影響が懸念されるところではあります。ただ、リーマンショック前と比べましてソフトランディングが可能な状況に今近づきつつあるところでありまして、新年度1年間この基金を活用したさまざまな就業支援をやり、その上で必要があれば、状況を見て国に追加をすべきではないかなど求めていきたいと考えております。  そして、新年度の本県の施策でございますが、中小企業の皆さんが雇用を維持するために設備投資をする場合に、その10%を助成しましょうという全国でも初めての制度を導入しようとしております。これは、これから業態が転換していくと思うのです。例えば系列企業の問題があってその系列が変わってくる。先般も兵庫県の知事と話をしておりましたけれども、兵庫県の場合は三菱重工が神戸から長崎のほうに造船関係を集約することになったわけであります。その三菱重工さんは地元の神戸では別のものをつくるということに転換をするわけでありますが、結局、その系列の中小企業が、造船がなくなってしまうと長崎へ移るかどうかとか、これからどうやって食べていったらいいだろうかという話が今現地で問題化しているということでございます。  こういうことは、本県でも今パナソニックと三洋の再編が行われつつありますし、それからソニー系にエプソンから移ってくるとか、大きな事業所での転換がございまして心配なところがあります。それから、そういう系列企業でなくとも中小企業なりに自分のところで雇用を抱えようとして新商品を開発しようと思うとどうしても設備投資が必要だと、そういう会社さんに対する支援が全国に一切ない状態でありますが、もうそういう時代ではないと思います。むしろ海外への流出だとか他地域への転出をしないで頑張ろうというところには、地域で根づくための支援もあってもいいのではないかと考えておりまして、こういう補助制度に踏み切らさせていただきました。  また、制度融資も国のほうのセーフティーネット保証の範囲が大幅に縮減をされます。この結果、追い出されてしまう、資金需要が評価されなくなってしまうところが、例えば宿泊業とか食品加工業だとか、本県でも主力の産業の中でかなり出てまいります。これを実際の資金需要、ニューマネー、新しいお金が必要だというような資金需要もございますので、県としてむしろ国がやってきたようなセーフティーネット保証を補完するような資金融通をさせてもらおうと、信用保証協会への損失補償も含めまして事業化をさせていただきました。こんなようなことをやりながら、何とか地域での中小企業を中心とした雇用を守り、そして成長へと導き、雇用へとつなげていきたいと思っております。  次に、教育関係について何点かお尋ねをいただきました。  まず、鳥取大学の教育学部の廃止は本県に禍根を残したのではないかということでございます。  禍根を残したかどうかはともかくといたしまして、やはり失われた面は多分にあると思います。その点では議員と認識をともにしております。例えば小学校とか中学校の教員の採用者でいいましたら、鳥取大学の卒業者が毎年30名とか、年によっては50名だとか、そういうことでそれぞれ採用されて県教委へ入ってきたものでございますけれども、この体制が変わりまして、教育学部が廃止をされた後は10名程度に激減したというのは事実でございます。やはり教育学部の門戸をたたいて、それで学校の先生になるのだとか、そういう意思を持った学生が入るかどうかでございますので、その辺の影響は一定程度あったかなと振り返って感じます。  ただ、教育委員会と大学側でも大分協議を持ちました。例えば教員免許のフォローアップの問題とか、それから実際に教員免許を取ろうとする人は取れるように整備をするとか、その辺は鳥取大学さん側でも順次手を打ってきていただいていまして、ある程度の教員免許は取れる状況にございますし、教員免許の取得者数は鳥取大学できちんと確保されているというような状況にはなってきております。そういう意味で、これは大きな変化をもたらしたわけでありますが、山形県だとか福島県などでもやはり教育学部がなくなりましたけれども、本県のように隣県とくっつけて隣県に教育学部を持っていったというところは結局鳥取県だけでございまして、全国で唯一の選択をしてしまったという感じはあります。その悪い影響が出ないように、むしろこれから鳥取大学と協調してフォローアップをしていくべきではないかと思います。  次に、文系の受け皿が少ないものですから受験生が県外へ流出しているのではないか、その方策やいかんということがございました。  高校関係者などから文系学部の設置要望がございまして、今回環境大学で経営学部を設置をするというのは、まさに山陰で唯一のそうした経営系の文系学部をつくろうという思いからでございます。そういうようなことで、受験生の流出を防いでいこうというような考え方であります。幸い、鳥取環境大学は今受験生がふえてきておりまして、きのう現在では既に志願者は受験料の払い込みベースで400名を超えました。だから受験生とか、その保護者の方、あるいは地域の中での評価は相当出てきているのかなと思います。問題はこの期待にこたえられるような、今議員がおっしゃるような文系の志願者対策とか、そうした機能の充実をしっかりとやっていくことではないかと思います。  大学教育につきまして、技術立国としてのステータスをきちんとつくっていくべきではないかということでございまして、これを鳥取環境大学でということでございますが、もちろん鳥取環境大学も今改革をしておりまして、教学面でも大きく変更します。例えば3Rといいますが、リサイクルとか、そういう3Rを中心とした廃棄物関係の専門教育の分野であるとか、それから生物多様性などをとらえたそういう教育分野など、こうしたところを充実していこうということでありますし、アジアを中心としてこれから引き合いがふえると思われる我が国の技術である水質関係のそういう学問領域、この辺も環境大学として専門教育を充実していこうというふうにしているところであります。ただ、環境大学だけですべて賄えるわけではございませんで、やはり鳥取大学とか、あるいは米子高専といったようなもの、さらに我が県でいえば産業技術センターなど、そうした各種の研究機関、その辺と一つのトータルの姿として、今おっしゃるような高等教育や技術立国の推進に向けた努力をする必要があるのではないかと思います。  これとの関連で、敗戦後の我が国の関係で科学技術というものが急速な経済発展へとつながったという御議論がございまして、科学技術予算の削減などの事業見直しについてお話がございました。  このことについてどう思うかということでございますけれども、今の話とも関連するわけでありますが、鳥取県内でもそうしたこれから伸びる技術領域のシーズをしっかりとつくり上げて高めていく必要があると思います。例えばマイクロ水力発電のような分野、これも産業技術センターのほうで開発をしまして、いよいよ実用化に向けてパートナーの地域をつくろうという段階に来ております。また、因州和紙を使いまして、燃料電池への応用をしようというのが、産地側の製紙会社さんと協力をしながら、これもやはり産業技術センターでそういうシーズ起こしをやってきております。もう次の分野になると思いますが、LEDですとか、それから今度、西のほうで4月に開設をされますバイオフロンティアといったバイオテクノロジー関係の分野でありますとか、そうしたさまざまな先端領域をぜひ広げていく必要があるだろうと思います。この辺は未来への投資とも言うべき分野であろうと思います。  先般、ロボカップという、おもちゃでありますけれどもロボットの製作技術を子供が競い合う国際大会に本県が日本代表で選ばれました。浜田さんという倉吉東高校の生徒と、それから森さんという湯梨浜学園の生徒が選ばれまして、勇躍遠征をしていったわけであります。そういう未来の子供たち、人材の育成だとか、それから技術を磨いていくマインド、この辺をぜひ鳥取県としても豊かにはぐくんでまいりたいと思います。  最後に、防犯灯の関係でお尋ねをいただきました。防犯灯や道路照明灯の設置について推進すべきではないかということと、LED照明の導入促進、維持管理の補助制度をその意味で拡充すべきではないかというお尋ねでございます。  このLED照明などを活用した防犯灯の整備は、市町村等とよく協議をしてぜひ推進していきたいと思いますし、声を聞きながら拡充をしてまいりたいと思います。この防犯灯につきましては、浜田の県立大学の問題がございまして、島根県も地域とタイアップをした地域限定での防犯灯整備を市町村のバックアップでやり始めた例もございます。我がほうの場合ですと、これは基本的には市町村の行政分野ではあるかと思いますが、県警といろいろと意見交換をしたり協力をしながら地域の諸団体とも話し合いをして、市町村が基本的には主体になるかと思いますが、それをリードをしていくことにいたしたいと思います。  その際に、議員の御指摘のLEDの照明という観点では、本県のバックアップ事業がございますので、現在2,000万円の予算枠が、地域連携型ではございますが、こうしたものを拡充をしたりして、議員がおっしゃる問題意識に県としても従っていきたいと思っております。 ◯副議長(斉木正一君)横濱教育長 ◯教育長(横濱純一君)(登壇)山口議員の御質問にお答えいたします。  鳥取大学教育学部の廃止は、本県に大きな禍根を残したと言っても過言ではないが、どのように考えているのかというお尋ねでございます。  平成14年度から鳥取大学と島根大学との間で教員養成学部の再編について協議が始まりました。県教育委員会としましても、当時、教育地域科学部がなくなることによって、本県教育への影響を考えて再編に当たっては教員養成機能を維持していただきたい、現職教員の研修の場を確保していただきたい、そして附属学校を存続させていただきたいというようなことを要望してまいりました。  再編後の鳥取大学からは採用試験の受験者が減って、結果的に鳥取大学出身の教員の割合が減ることで鳥大とのつながりが弱まるのではないかと心配されましたが、県内の学校と大学との連携はむしろ充実してきており、全県的に連携の内容も質も高くなってきているというふうに感じております。  私も学校現場におりましたときに、高校生の進路意識を高める取り組みを行いましたけれども、鳥取大学の全面的な御協力をいただいたことで期待していた以上の成果が上がったというふうに感じております。  また、平成21年度から導入されました教員免許更新制度にも教育学部がない本県で円滑に実施できるかどうか心配しておりましたけれども、鳥取大学に全学体制で御協力をいただきまして、無事に県内教員の免許更新につなげることができました。ちなみに本県でこの免許更新講習が必要な教員は550人おりましたけれども、そのうち470人、約85%が鳥大で受講いたしました。さらに県内高校生の鳥取大学地域学部への志願者数や入学者数の推移を見ますと、学科改編が行われた平成16年度は、県外志願者が急増し、その影響を受けて県内入学者も減りましたが、その後、県内高校生の志願者は改編前よりやや少ない状況にありますが近年は増加傾向にあります。また、県内高校からの入学者は、改編後の平成16年度が最も少なく、その後、回復傾向にありましたが近年は若干の減少が見られるところでございます。  一方、教科指導に関しましては、教育センターが実施します教員研修や学校が実施します校内での研修会等で指導、助言をいただいておりまして、これまでとは異なりまして鳥取大学の先生方ですべてをカバーすることはできなくなってきております。しかし、この点につきましては島根大学等と連携して対応してきているところであります。  県教育委員会といたしましては、引き続き教員養成、それから教員研修、授業研究会などの面で連携を深めながら本県の教育の充実、発展につなげていきたいと考えております。  続きまして、今後、教員の大量退職期を迎えるが、教員の質やノウハウを維持しながら適切に対応できるよう今から早目に対策を行うべきであるが、このことについての認識と今後の採用方針のお尋ねでございます。  現在の本県の小学校、中学校の教員の年齢構成は50歳前後が最も多い状況にございます。今年度末の定年退職予定者は、小学校で34人、中学校で15人でございますが、特に小学校では平成24年度末から定年を迎える教員がふえ始めます。平成25年度末では70人、平成26年度末には80人となりまして、平成27年度以降は100人前後の退職者がしばらく続くという状況でございます。そして、その後はだんだんと減ってまいります。このように本県でも大量退職の時期に入ってきますが、急激な世代交代が進むと中堅やベテランの教員が大幅に減ります。そこで経験の少ない若手教員が増加するなど、教育活動を行っていく上で影響が出てくることを心配しております。学習指導や生徒指導などを充実させて学校の教育力を高めていくためには、教員間で学び合ったり支え合ったり、そういう世代を超えた切磋琢磨とチームワークが大切だというふうに思います。また、教員の力量を高めていく上では、学校現場が活気にあふれたり、あるいは活力に満ちていることが大事だとも思います。  学校は一つの組織体でありますので、管理職がリーダーシップを発揮しながら、教員の持ち味を引き出して、組織の中で研究や実践、議論などを深めながら創意工夫した取り組みを打ち出していくことが大事でありますし、そのような組織づくりが大切だというふうに思っております。そのためにも、やはり年齢構成のバランスは大事だというふうに考えております。  このようなことから、今後の教員採用に当たりましては、年齢構成のバランスも考慮しながら、すぐれた教員を確保していくために早目の対策が必要であると考えておりまして、公平、公正に配慮しながら、人材を確保するための採用方針をできるだけ早く打ち出したいと考えております。現時点では、県外で教員をしている本県出身者を採用する特別選考を行い、経験豊かな即戦力となる教員を確保して、本県に新しい風を吹き込んでいただきたい、あわせてバランスのとれた年齢構成につなげていきたい。もう一つは、今年度の試験からB登載者を20人に増加させました。昨年度は2人でしたので10倍になりましたけれども、20人に増加させたB登載者をさらに増加させて優秀な教員が県外に出ていくことを少しでも防ぎたいというふうに考えております。県外教員の特別選考、B登載者数の増加など、できるものはこの夏の採用試験から実施していきたいというふうに考えております。  続きまして、教員の大量退職期を控え、地元で育ち、地元に愛着を持った県内出身の優秀な人材を採用すべきであると思うが、地元に教育学部がない今、どのように教員を確保していくのか、その対応策についてお尋ねでございます。  議員からお話がありましたように、鳥取県に愛着を持ち、鳥取県の子供たちのために本気で教壇に立とうという志の高い人を採用していくことはとても大事なことだと思います。確かに地元の鳥取大学では教育学部がなくなりましたが、地域学部を初めとして農学部、工学部でも免許の取得は可能でありますし、大学全体として教員養成システムは十分に機能しているというふうに思っております。特に地域学部では幼稚園教諭、小学校教諭、特別支援学校教諭、中学校、高校の国語、社会、理科、英語の免許状の取得が可能であります。教員への道は開かれている状況であります。  教員採用試験におきます鳥取大学出身の志願者は、今年度の採用試験では140名でありました。昨年度の採用試験では153名の志願者がありました。志願者は採用数によって左右されますけれども、採用数が多いときには200人を超える志願者があることがありますので、鳥取大学には地元の大学として意欲のある学生や卒業生を送っていただいているというふうに考えております。  このようなことから、私は採用試験の前段階の教員養成段階から大量退職期を見据えながら、鳥取大学はもとより島根大学などと連携を深めて、人材を育成し、確保につなげていくことも大事だというふうに思います。  それから、毎年、教育委員会事務局担当者が鳥取大学と島根大学を訪問しまして、学生に対しまして採用試験説明会を行っておりますが、今後は実施方法を工夫しながら、学生に熱いエールを送っていきたいというふうに考えております。また、一方で年齢構成を考えながら活力ある学校づくりにつなげたり、あるいは講師が教育活動に専念できるようにすることも大事だというふうに思っておりますので、これは先ほども申し上げましたように、本県出身者を採用する特別選考、あるいはB登載者の数の増加ということで対応していきたいというふうに考えております。  続きまして、議員からゲーテの言葉などを引用されて、現代に求められている教師像についてお尋ねがございました。  私は教師に求められる力として、いつの時代にも求められるものと、これからの時代に必要になってくるものがあると思います。いつの時代にも求められるものとしましては、教職に対する強い情熱と教師の仕事に対する使命感や誇り、子供に対する愛情や責任感、子供の成長や発達についての深い理解、授業を通して子供を鍛えていく教育の専門家としての確かな力量、こうしたものであるというふうに思います。議員から御紹介いただきました教師像もいつの時代にも大切な視点であり、現代にも求め続けられる教師のあり方の原点だというふうに思います。  一方で、21世紀は知識、基盤、社会の時代と言われております。これからの変化の激しい時代を生きていくためには、幅広い知識を持ち、柔軟な発想や考え方で判断をしていく、そういう力も必要となってまいります。このところ社会人基礎力として一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力とか、疑問を持ち考え抜く力だとか、多様な人々とともに目標に向けて協力する力、こうしたものが経済産業省からも提言されております。このようなことから、これからの教師には、新たな考え方や取り組みが必要になってくると思いますが、基本はやはり議員御指摘の点だと思いますし、大切にしていかなければならないものだと思います。  続きまして、新学習指導要領の円滑な実施に向けた対応についてお尋ねでございます。  新学習指導要領が小学校ではこの春から、中学校では来年度から全面実施となります。この間、本県では小学校、中学校におきまして、平成20年度を周知期間とし、小学校では翌21年度から22年度まで、中学校では23年度までを移行期間として全面実施に向けた準備を行ってきております。  その内容としましては、毎年、夏季休業中に実施しております教育課程説明会で、すべての小・中学校の管理職に出席を求めまして新学習指導要領の趣旨を徹底いたしました。また、教科ごとの説明会も開催し、平成20年度から3年間で全教員が参加をいたしました。さらに新学習指導要領の趣旨に沿った授業改善のポイントや指導計画を見直すための具体的な視点を移行の手引きとして作成し、すべての学校に配布をいたしました。  教育委員会といたしましては、このように新しい指導要領の趣旨を徹底しておりますけれども、引き続きすべての教員がしっかりと理解して指導に向かうことができますように、研修会とか学校訪問を通して意識を高めていきたいというふうに考えております。  続きまして、学校週5日制のもとで学習指導要領の改訂を実のあるものにするためには、学校の創意工夫や教員の力量もさることながら、家庭や地域との連携をどう構築していくかが重要なかぎになると。学力向上に向けて、さらに一歩踏み込んだ独創的な取り組みを期待するが、どのように考えているかというお尋ねでございます。
     県教育委員会では子供たちの学力向上を目指して、平成21年度から県民運動として勉強がんばろうキャンペーンを実施しております。このキャンペーンは、平成17年度から取り組んでおります心とからだいきいきキャンペーンとあわせて、学力向上に向けた風土づくりを進めていこうとするものです。議員からは、さらに一歩踏み込んだ独創的な取り組みを期待したいということでありますが、私も学習指導要領の改訂を実のあるものにするためには、学校の取り組みだけでなく家庭や地域との協力体制をどのように築いていくのかということが大事なポイントになるというふうに思っております。  実は、私は昨年、全国学力・学習状況調査や、あるいは新体力テストにおいて全国上位の福井県の小学校や中学校を訪問いたしました。その際、地域のボランティアを有効に活用した取り組みがとても参考になりました。  本県におきましては、これまでも多くの学校で地域のボランティアの方々の御協力をいただきまして、本の読み聞かせや登下校のパトロール、学校内の環境整備の取り組みが行われてきております。今後、家庭や地域と連携して教育を推進していくという視点で、学習や生活の基礎、基盤づくりの大切な時期にある小学校1年生から3年生の子供たちの生活や学習を支援する本県独自のボランティアを活用した取り組みを定着させたいと、現在検討を進めているところであります。  本県は人口は少ないですが、見方を変えれば地域でお互いの顔が見えやすく協力体制を築きやすいという特色があるというふうに思います。このような本県ならではの特色や特性を生かして、保護者や地域の方々の御協力をいただきながら、学校や家庭、地域が一体となって、子供たちの学びや生活を支え、成長させていこうという機運を全県的に高めていきたいというふうに考えております。  続きまして、県議会の決議を受けて、本県では学力向上に向けた対策及び体制づくりをどのように進めようとしているのかということのお尋ねでございます。  昨年10月に、県議会におきまして県立高等学校の教育のあり方に関する決議がなされました。私は、昨年9月以降、専攻科の方向性を定めていく中で、中学校の校長会との意見交換会、全国的な模擬試験などのデータをお持ちの企業の方に入っていただいて高校の校長会との意見交換会、あるいは中学校と高校の校長会の代表との合同の意見交換会、こういうものを6回ほど開催してまいりました。こうした意見交換の中では、生徒に学習習慣が定着していないこととか、あるいは学校も学力的に伸ばすことができる層を伸ばし切れていないということが共通の課題として上げられました。私は、意見交換をする中で、これまでの取り組みは学校ごとの個別の取り組みになりがちだったと改めて感じましたし、ここで課題を全県的に共有して、学校の枠を超えて連携したり切磋琢磨していく機会がさらに必要だというふうに感じました。  このような認識に立ちまして、全県的な学力の向上に向けて、小学校と中学校の連携や中学校と高校の連携を軸に幼稚園や保育所、あるいは大学との連携も組み合わせながら、スクラムを組んで一貫性のある教育を行っていきたいと、そして新しい学びのスタイルを打ち出したいというふうに考えております。あわせて小学校、中学校、高等学校を通じた学力向上を推進していくためには、教育委員会事務局の中の組織づくりも大切であります。そこで高校における学力向上を推進していくための拠点として、高等学校課に高校教育企画室を新設したいと考えておりますし、あわせて小学校、中学校への指導体制の充実を図るために、東部、中部、西部の各教育局に指導主事を新たに1名配置したいというふうに考えております。このような校種の枠を超えてスクラムを組んだ教育や組織体制の強化などに積極的に取り組み、本県の子供たちの学力の向上につなげていきたいと考えております。  おしまいに、義務教育の中で科学技術、創造力をどう培うかが大きな課題であると思うが、本県の科学技術教育のあり方についてのお尋ねでございます。  我が国は、科学技術を最大限に活用して高度経済成長をなし遂げてまいりました。高い科学技術力を維持、向上させていくということは、日本の競争力を高めていく上でも、また日本の将来を考えていく上でもとても大切なことだというふうに思います。また、これまでも我が国の高い科学技術力は子供たちに夢や希望を与えてきたというふうに思います。例えばさまざまなトラブルに見舞われながらも、往復約60億キロの距離を7年もの時間をかけて帰ってきた「はやぶさ」の話、あるいは議員の御紹介もありましたノーベル賞受賞者の根岸さんや鈴木さんのお話、あるいは本日の朝のニュースに出ておりましたけれども、若田光一さんが国際宇宙ステーションの船長に決まったという話、こういうような話は子供たちをとてもわくわくさせる話だというふうに思います。  一方で、議員御指摘のとおり、我が国におきましては理科離れとか理系離れの進行が懸念されております。我が国の子供たちは国際的な比較において、算数、数学や理科について学習に対する積極性が乏しく、得意だと思う子供たちが少ないなど、学習意欲は必ずしも十分ではないという調査結果があります。  こうしたことを背景に、新学習指導要領では算数、数学、理科の授業時間数が増加することになりましたが、現在の移行期間中に前倒しして実施しておりますし、これまで説明だけでとどめていたところを物づくりを通して原理や仕組みを理解する授業時間数もふえております。ただ、今の子供たちは便利な環境の中で生活しておりまして、完成した製品がどのような技術でもってつくられているのかなどを考えることは少なくなっていると思います。このようなことから、子供たちには科学の必要性が感じられず、神秘さや不思議さに好奇心を持ちにくい環境となっているというふうな指摘もあります。  私は、本来、子供は知的好奇心の固まりだというふうに思っております。そこで、知的好奇心を刺激して興味や関心の世界を広げていったり、子供に物づくりや自然観察などさまざまな体験活動の機会を与えて、失敗も含めてさまざまな体験を通しながら達成感や自信を持たせていくことが大事であり、そういうことがまた科学をする心を育てていくことにつながるのではないかというふうに思います。このような心が動かされる体験を積ませることで、子供たちの可能性を引き出して伸ばしていくことができると思いますし、それは我々の大切な役割だというふうに思います。  理系離れ自体は先進国共通の現象のようでありますけれども、日本の特徴として、社会において科学が文化や教養の一部として根づいていないこととか、一般市民の間に科学する心を備えた人が極端に少ないのではないかというふうに言われております。科学技術は一部の専門家だけのものではなく、科学技術を生み出すには科学する心を持つ多くの国民がふえていくことが大事だというふうに思います。このようなことから、子供たちの科学する心を育てていくことが大切だと思いますので、学習指導要領の改訂を機に学校での取り組みの充実を図っていきたいというふうに考えております。 ◯副議長(斉木正一君)佐藤警察本部長 ◯警察本部長(佐藤幸一郎君)(登壇)山口議員から2点につきましてお尋ねがございました。  まず1点目でございますが、今回の豪雪被害を教訓とした警察としてのリスクマネジメント、クライシスマネジメントのあり方についてのお尋ねでございました。  県警察におきましては、県内において災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合の警察活動及び災害発生に備えて、平素から実施すべき警察活動を適切に行うことを目的として、平成13年11月に鳥取県警察災害警備計画というものを策定し、危機管理体制を構築しているところであります。この警備計画におきましては、台風、大雨、強風、地震、そして今回の豪雪等の災害が発生した場合、警察本部に本職を長といたします特別警備本部を、また警察署には警察署長を長といたします現地災害警備本部をそれぞれ設置いたしまして、警察職員を最大限非常招集して、県、市町村、その他の防災関係機関・団体の連携のもとに、早期に警備体制を確立し被災情報等の収集に努めるほか、警察の総合力を発揮いたしまして、県民の生命、身体及び財産の保護並びに被災地における治安維持等に万全を期することとしております。  今回の豪雪被害におきましては、当初、昨年の12月31日、午前10時25分でございましたが、鳥取県中西部の大雪警報の発令とともに、警察本部に鳥取県警察雪害対策連絡室というものを設置いたしました。その後、奥大山のスキー場において、雪崩によりまして4名の方が亡くなられるという痛ましい事故が発生をいたしました。その対応、そして雪害に対する警戒等に当たっておりましたところ、さらに国道9号において多数の車両が立ち往生するという事態が認められたため、さらに体制を強化いたしました。同日、夜中でございますが、午後11時10分、鳥取県警察雪害対策本部を設置して対応に当たったところでございます。  具体的な活動を申し上げますと、大みそか12月31日から大雪警報が解除された1月2日までの間、延べ約900人の警察官を出動させました。豪雪により国道9号で発生した交通渋滞につき、道路管理者、これは国土交通省でございますが、こちらの除雪が速やかに行われるようグレーダーをパトカーで先導したり、立ち往生車両が多く、除雪が思うように進まなかったことから、道路管理者と協議の上、正月1月1日でございますが、午後3時15分から琴浦町八橋から大山町松河原までの間、これはちょっと異例でございますが全面通行どめということで道路管理者が除雪活動を行えるよう支援したほか、立ち往生車両が交通渋滞の原因となっているということから、チェーン装着の指導というものも正月1月1日の午後3時ごろから国道9号の東部、中部、西部の3カ所において多数の警察官を出動させて実施したところであります。さらに午前3時に県の出動要請が自衛隊にありましたけれども、実際の出発は午前6時ということがございますので、その間に高速隊並びに米子警察署のパトカー等も自衛隊のほうに行って先導させていただきました。さらにJRの乗客救出用バス、ラッセル車が脱線したということでございまして、代替手段ということでJRと協議をして私どものパトカーをたしか3台だと思いますけれども、バスの運行という部分での先導もさせていただきました。そのほか救急車とか日赤の血液輸送車、こういうものをそれぞれパトカーで先導するなどの対応に当たったところでございます。  また、今回の豪雪での対応につきまして、現場の警察署、交番、駐在所に勤務する警察職員からの雪害状況報告やJR、空港等の公共交通機関、電力会社などからの情報に基づきまして、被害実態というものを把握するとともに、報道機関や関係機関を通じてその情報というものを県民に提供する等の活動に努めたところであります。しかし、12月31日から1月1日までの間は豪雪に伴う交通事故の届け出や車両の立ち往生、道路状況、交通規制等についての問い合わせ及び電線の切断、停電等の問い合わせなどの110番通報、こういうものが非常に急増いたしまして、この2日間における受理件数は、何と平常時の8倍、通常は大体1日平均120件程度なのですが、最大で12月31日には920件というようなことで、平常時の約8倍の件数となり、必ずしもこの面については十分な対応ができない時間帯も発生したところであります。さらに、これら110番通報に対するパトカー等の現場臨場につきましても豪雪により迅速な協議ができなかったという事態も認められたところであります。  このような教訓も踏まえまして、県警察といたしましては今後110番を受理する通信指令課の体制強化を図るとともに、豪雪に伴う交通情報につきましては、報道機関への情報提供はもとより、交通管制センターが管理する道路上に設置された交通情報板や道路交通情報センター及び防災関係機関等を通じまして、広く県民の皆様に対する情報提供に県外も含めまして万全を期してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、県警察におきましては、災害が発生した場合には防災関係機関などと連携を密にし、県民の期待にこたえるべく災害警備活動の的確な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、2点目でございますが、骨とう品を初めとする盗難被害の現状と防犯対策についてというお尋ねがございましたのでお答えいたします。  議員から御指摘がございました掛け軸やびょうぶ、古陶器などの骨とう品被害に係る窃盗事件についての統計、こういうものは私どもはとっておりませんけれども、手集計で過去5年間にさかのぼって調査いたしましたところ、本件については40件発生をしているところであります。このうち特に3年前の平成20年の4月から平成21年の3月までの1年間に27件、率でいいますと67.5%でございますが、こういうものが発生をしていると。これら事件につきましては、県内に居住していた骨とう品を目的とした常習窃盗者、この犯人が集中的に犯行を行ったために発生したものであります。これら40件の骨とう品被害の窃盗事件につきましては、ただいま申し上げました常習窃盗者を含む3人の被疑者をそれぞれ既に検挙をしております。24件の窃盗事件というものを検挙したのですが、被害品につきましては、その一部でございますが被害者のほうにも還付させていただいたという状況でございます。  これら事件につきましては、そのほとんどがまさに中山間地における犯行ということでございまして、やはり長期にわたり空き家になっている民家だとか、民家に併設する土蔵ないしは倉庫での被害でございます。先ほど申し上げました検挙した3事件を通じて、犯人が犯行に先立ち、中山間地帯で旧家を探したり、土蔵や倉庫のある民家を探したり、家人が居住しているかどうかを確認したりするなどして、まずは車両を使って下見をしているというのが実態でございます。犯行場所を選択して、いわゆる深夜帯というか、おおむね午後10時以降、4時ごろまでの間に犯行をしているという状況でございます。また、犯行に当たっては、空き家の場合は窓ガラスを破ってクレセント錠をあけたり、無施錠になっている箇所を探したりと、さらには土蔵や倉庫の場合には扉に取りつけられている南京錠だとか、板戸を破壊するなどによって侵入をしているという状況が見受けられます。  議員から御指摘がございましたけれども、ではこれら窃盗事件に対してどう防犯対策をとっていくのかということでございますけれども、これにつきましては、やはり駐在所勤務の地域警察官によるきめ細かな巡回連絡やパトロール活動はもとより、地域の自動車警ら隊、こういうものの機動力を生かした広域パトロール、駐在所だよりなどミニ広報紙による広報のほか、防犯講習会などを通じまして、地域住民に対し不審者や不審車両を発見した場合の措置というものの通報を依頼して、各種防犯活動に努めているところでございます。また、特に長期にわたって空き家となっている民家等につきましては、やはり窃盗、被害の対象になりやすいということから、被害防止に向けまして空き家の実態把握と、これに基づいた管理者対策というものを進めているところでございます。  現在、県警察においては、今まで申し上げたような防犯対策のほかに被害防止というものを重点として防犯講習会というものもやっておりますし、これに参加する機会の少ないお年寄りや障害のある方々に対しまして、犯罪被害防止のための訪問活動を行う高齢者等訪問2万人活動というのを昨年から展開しているところでございます。こうした活動を通じまして、中山間地域にお住まいの方々の安全で平穏な生活の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◯副議長(斉木正一君)26番山口議員 ◯26番(山口享君)知事、いろいろ答弁をしていただきましたけれども、私はちょうど4年前でございますけれども、あなたに知事に立候補することを強く求めた者でございます。これほど活躍されるとは本当に思ってはおりませんでした。やはり若いし発想が非常に豊かであるということ。その当時、やはりまず自治体であれ個人であれ、自立を求めなければ次のステップアップができないのではなかろうかという形で自立を高くうたわれたのではなかろうかと思っております。  きょう話を聞きますと、キーワードの中に連携ということがございます。連携というのは、古い言葉であって新しい言葉でございますけれども、やはりまず共生社会を実現することだと思っております。今、農村が崩壊しつつあります。やはり豊かな農村社会をつくり、それがもとになって今の地域社会をつくっているのではなかろうかと思っておりますけれども、まず地域においては、そういう共生社会を再発見するということです。さらに地域を含めて地域同士の連携が必要であると。それから関西広域連合に加入されておりますけれども、これも定住人口の増加であったり、あるいは移住、交流人口、定住人口、これの増加につながる施策であるとともに、やはり国際社会の一つとして連携を保っていかないといけないという発想で、私はあなたの2期目に向けての発想というのは非常にいい構想ではなかろうかと思っておるわけでございます。  それともう一つ、社会そのものが本当に予測できないほど今激動しております。ある評論家の方でありましたけれども、私どもは統計というのは将来の動向、趨勢の基礎となる、ベースとなるような実績評価だと、さらに次を創造するベースになるだろうと思っておりますけれども、その統計が今まやかしであると。やはり統計を信じる必要もありますけれども、統計だけを信じて、次のステップアップというのもなかなか難しい状況です。それほど予測しがたいことが次から次と起きておる時代でございますので、やはり政策もフレキシブルに、その都度、その都度変えていく必要があるのではなかろうかと思っております。  ところでマニフェストでございますけれども、確かにマニフェスト以上のことをやっておられますけれども、その中で、鳥取県の教育力を高めるために中高一貫教育をうたわれたのではなかろうかと思っておりますけれども、それがいつしか消えてしまったように思うわけでございます。私どもは民間にゆだねるべきだという考え方も伝えましたけれども、民間にゆだねるならゆだねるという形できちんとけじめをつけて中高一貫教育については対応される必要があるのではなかろうかとまず思っておるところでございます。これは、私は教育長に質問したと思っておりましたけれども抜かしておったと思います。  それともう一つ、答弁の中でございますけれども、私は人口減少社会において、これ以上に借金をしますと次世代に非常に大きな負担がかかるという懸念を持って対応する必要があるのではなかろうかと思っておるわけでございます。ちょっとそこにお配りしておりますけれども、公債費と臨時財政対策債の推移というのがございますけれども、今、本当に692兆円、700兆円ぐらい4条国債と特例公債を含めた借金があるわけですね。これに加えて臨財債、それから地方負担が200兆円ぐらいかかるわけです。そうしますと、右肩上がりの状況ならいいわけですけれども、今度は人口が減少するわけでしょう。この負担が非常に多くなってくるという心配をしておりますので、現世代に生きる者として将来に負担を残さないような形で、こういうことをやはり決断すべきではなかろうかというのが私のきょうの一貫した考えなのです。  それともう一つ、この財政運営に対して非常に厳しい対応をしておられて、結果的にいい状態を残しておるのではなかろうかと私は思うのですけれども、私がこの財政窮乏県連盟を提案いたしましたときというのは、昭和60年でございましたけれども、基金残高も実に58億円なのです。一たん災害でも何でもあれば、本当に対応し切れないような鳥取県の財政事情だったわけです。それが国体のときに本当に使うだけ使ってしまったわけです。裏打ち財源としてももう枯渇したような状態だ。こういうことを憂いて自前の交付税を増加しなければならないのではなかろうかという気持ちでやったのです。私の自慢話ではないわけですよ。この当時は本当に危機的な状況だった。  そういうことを含めて、私どもは将来に備えるためにも、ある程度、新しい工夫と発想によって、この基金というのは400億円ぐらい今積んでおられる。という気持ちで今私は知事に質問をした次第でございます。  もう一つ、国債の償還でございますけれども、これは4条国債だから、建設国債なら次に物が残っておるわけですけれども、この赤字国債なのですけれども、これは借金だけは残りますけれども何も形に残らないわけですね。これは本当に垂れ流しみたいな形なのです。そういうことがあるからして、この臨財債を含めて借金をこれ以上重ねることはならないという気持ちで私はきょうの質問をさせていただいたわけです。  それともう一つ、この償還期限が4条国債は60年でしょう。それから地方債の返還は借りかえを含めて30年、大きな差があるわけですね。臨財債も60年でしょう。60年先の返済に本当にたえられるでしょうか。人口減少社会ですから、人口が6割も7割も減ってしまったら、あるいは経済成長が今のような形でいくと本当にどうなるかということを心配しているわけです。臨財債も60年でしょう、償還が。(「違う、違う」と呼ぶ者あり)臨財債は30年か、それなら30年に訂正しますけれども。私はこういう危機感を今持っておりまして、現世代に生きる者としての責任を果たすべきではなかろうかという形で申し上げた次第でございます。  それと来年度の予算でございますけれども、今、成立が危ぶまれているわけです。この中にかなり日切れ法案があるわけです。この赤字国債もそうでございますけれども、子ども手当も計上されておりますけれども、これまた法案が成立するかどうかわからないような状況なのです。本当にこのねじれ国会において厳しい対応が求められると思います。知事、ちょうど選挙のころになりますので、知事は暫定予算を組まれてよかったと思いますけれども。またそのころに大揺れをするのではなかろうかと思っておりまして、本当にこのあたりを心配している一人でございます。  もう一つ、財源問題についてでございますけれども、私が議員に出たころは、国税三税といいます所得税と法人税と酒税とあったわけでしょう。これの32%が交付税だという位置づけをしておった。しかしながら、平成元年になりましてから国税五税に変わったわけでしょう。知事は専門家でございますので。所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税を含めて、これが交付税の財源になっておるわけでしょう。そうしましたところが、その一つが、菅総理の発言ではないですけれども、TPPを間違えてIPPと言ってしまったと。それから日本の国債に対する評価が1ランク落ちてしまったと。こういったときに、私は経済に疎いのだというような、国の責任者がそういうような感覚でおっていいのかどうか。さらに、これはどういうことか知りませんけれども、自民党の党籍を得て当選された与謝野さんですけれども、やはり税と社会保障の一体改革の中で、消費税というのは上げざるを得ぬ状態なのです。そういった中で、消費税は上げるけれども地方に還元しないと、あるいは民主党は全然政策に無知であったとか、ちょっと今の中で責任者としての発言というのは軽過ぎるのではなかろうかと思っておりますので、この財源確保と将来の負担ということに対して、知事、あなたの考え方をまず伺っておきます。 ◯副議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山口議員から重ねてのお尋ねをいただきました。  まず、これからの県政というか、政治そのものについてでありますが、自立だけでなくて連携を求めていく、それは共生社会そのものではないか、さらに統計に惑わされることなくフレキシブルな政治行政を行うべきではないかという点でございます。この点については全く同感でございまして、やはり、結局国政においても何においても後手後手に回った対策が今問題になっているのだというふうに思います。  我々は、幸い県政という現場に近いところにおります。日ごろから住民の皆さんとか、あるいは市町村などといつでも意見交換ができる立場にあります。ですから、我々こそはそういう数字上のトリックなどに惑わされたり、あるいは統計がまとまらない限りは何もしないということではなくて、むしろ現場の発想に忠実に政策を考えていくべきだと、そういう基本スタンスで臨んでいきたいというふうに思います。  2点目として、中高一貫校の設置につきまして民間でもいいのではないか、そういうような割り切りも必要ではないかというお尋ねをいただきました。  私は、地域の教育力としていろんな選択肢を地域で用意すべきだと思っております。中学、そして高校と一歩一歩教育の段階を進んでいく、その間に高校ではいろんな学校の中から選択をしていくというスタイルの育ち方もあれば、中高一貫校で高校受験ということをせずに、むしろ人間教育や学力向上などに資するような、そういう教育を受けたいという人はそちらに進めるという選択肢を用意すべきではないかという問題意識を持っております。  議員から御指摘いただきましたように、マニフェストにも書かさせていただきました。そして教育委員会にもお願いをしまして、教育委員会でも中高一貫校についての検討を進めてきていただいていたわけであります。その後、公立でやろうかというような構想が持ち上がったり、現在、民間でやろうかと、やりたいというお話も伝わってきております。私は、設置者がだれかということではなくて、もし民間がやるのであれば民間を我々公が支援するような形で新しい選択肢を用意して、いわば公立の学校をつくるよりもリーズナブルで税金を投入する額も減りますし、むしろ民間の活力といいますか、教育力に期待をしてお任せをするというやり方もあってもいいと思います。ただ、今、民間のほうの動きがまだ進んでいるところでございまして、今少しこちらも進度調整といいますか、そういうことをせざるを得ないという状況にあると思います。  今のところ、この秋ごろに見きわめをしたいというような動きがございまして、そのときを一つの区切りとさせていただきたいと私は思います。公でやる方向を選択するのか、それから民間でされるというところを尊重して民間のほうでやっていただくと。場合によっては何か隘路があるのであれば、もちろんこれはリーズナブルな範囲ということでありますが応援をするということも考える、そうした整理を今山口議員おっしゃいましたけれども、すべき時期に来ているかなというふうに思います。  次に、議員のほうからいろんなこれまでの経緯だとか含めまして、財政だとか、そうしたことについてのお話をいただきました。一番の問題は借金返済を先送りすることで、これは無責任であると、県政においても基金残高が58億円という時期もあったけれども、それを乗り越えてやってきたと。赤字国債や臨財債のあり方の問題もありますし、交付税の問題もある。そういうときに菅総理の発言、それから与謝野経済財政担当大臣の発言について問題が多いという御指摘をいただいたわけであります。これにつきましては、私も、結局、今、我々がこの時期に行政、そしてそれと不即不離の財政を預かっていることの責任を痛感すべきだと思います。  先ほど議員のほうから提示のありました棒グラフを拝見しますと、平成10年度ぐらいからずっと急激にふえてきていると。ここに来て若干鈍ってきた感はありますけれども、それがなお膨らんできておりまして、臨財債がその膨らんでいるかなりのパーセンテージを負うようになってきていると、すなわち国のほうの赤字国債だけでなくて、いわば赤字地方債というべきものでもある臨財債という形態が国全体、国と地方をトータルした上ではウエートも高まってきているのは、これは看過しがたい状況であると思います。  この償還期間も議員のほうから御指摘がございましたが、国のほうは国債は60年償還でやっています。この60年償還といいますと大体2世代先ということでございまして、2世代にわたって借金の返済を行うということであります。建設事業であれば、そうした60年ぐらいのタームでそれを負担してもおかしくはないだろうという論は成り立つかもしれませんが、赤字国債のことも含めて考えますと、赤字というその年の財政収支が合わないことの負担を子供だけでなくて孫の代までかかって返してくれということを強要しているようなものでありまして、果たしてこのようなあり方がいいのかというのは確かに疑問があるところであります。ただ、この償還年限というのはだんだんと延びてきておりまして、短期国債から長期国債、さらに超長期というふうに延ばしてきている。それは財政負担としての償還の圧力を減らそうという国家財政のやり方でございます。地方税制のほうでも徐々に償還年限が延びてきております。10年償還から20年償還、さらに、今議員から御指摘がございましたように、臨財債も30年償還が限度であり理論値となっております。  本県は、これは私の主義ということもあるのかもしれませんが、その30年償還という超長期の返済というのはなるべくすべきでないと思っております。現実問題、では全部10年で返せというと、なかなかこれは償還負担が重過ぎて厳しくなる面もありますが、ある程度は繰り上げ償還をして、そういうように10年で返す、長くとも20年で返済をするというルールでやっていきたいという気持ちで財政運営をしております。先ほども申しましたが、今回の2月補正予算にも出させていただいております償還財源の引き当ては110億円余りそういうふうな償還を10年で済ませてしまえるだけの財源を用意しまして、事実上の繰り上げ償還をしようという考え方であります。このようにけじめをつけた財政運営を国のほうに対しても求めていきたいというふうに思います。  交付税につきましては、今足らないわけでありまして、たばこ税、消費税と、それから国税三税であります所得税、法人税、酒税を加えた五税で交付税の財源となっていますが、これが足らないということが常態化していることが問題であります。したがいまして、交付税率の引き上げなどをやって抜本的な解決を図るべきなのに、そこに目を背けているという現実があります。  菅総理が国の財政全体についてスタンダード・アンド・プアーズの評価の格付のAA-という格付について詳しいことは知らないという発言をされたということで話題になりました。これは情報が入っていないという意味だという釈明もありましたけれども、それぐらい非常に厳しい目で世界は見ていることを考えるべきではないかというのはおっしゃるとおりだと思います。  それから、与謝野大臣が地方に回そうという意図は消費税についてだれも言わないということでありますが、総務省も含めてだれも言わないというのは、非常に今の政府の状況に不思議さを感じます。現実問題、社会保障についていえばどんどんと膨らんでいっているわけでございまして、22年度は27兆円余り、それが23年度に向けては28兆円余りということでありまして、1兆円といったオーダーで毎年社会保障がふえております。このうちの半分は地方負担でございまして、こういうふえていくものをどうしようかという議論で消費税の議論が起こっているわけでありますから、当然ながら半分半分ぐらいで地方にも配慮すると、消費税を上げるのであれば国と地方で分け合うぐらいの考え方が普通なのでありますが、一切その考えは頭にないというのは地方の実情に対する理解不足があると思わざるを得ません。この点は、全国知事会としては大いに反論していこうということになっておりまして、このたび麻生知事会長が招集をかけましてこの与謝野発言に対して臨時の知事会を行うことになりました。そういうようなことでございますので、ぜひ議員がおっしゃるように財政だとか、それから国の信用自体が問われている事態、このことを子や孫の代のことまで含めて、我々は真剣に議論しなければならないと思います。 ◯副議長(斉木正一君)26番山口議員 ◯26番(山口享君)知事、あなたの答弁はそれでよろしいですけれども、やはり知事として発信力のある方でございますので、財政にも詳しいし、どうか地方の実情、地方がこれだけ血のにじむような努力をしておるということを含めて、税と社会保障の一体改革の中で消費税は避けて通れない時代が来るのではなかろうかと思っておりますので、きちんとこの問題は整理していただいて、地方が果たすべき役割、これをひとつ論じてもらいたいと思っております。  さらに議会と首長さん、ここでは知事ですけれども、議会の権限についてでございますけれども、今、議会に対する風当たりが非常に厳しいということなのです。県民も余り議会活動について信頼していないというようなことが報道されつつあるわけですけれども、鳥取県議会はそうではないと。自慢話のように聞こえますけれども、議会の果たす役割をきちんとみんな一緒になってやっておるのではないかということをここで私は述べたかったから、きょうあえて代表質問の中で過去の経緯を財政窮乏県であるとか、いろんなことをみんなと一緒になって取り組んだではないかと思っております。それがやはり二元代表制の一方の知事と私ども議員の立場ではなかろうかと思って取り上げさせていただいたわけです。  ところが、最近、愛知県知事であるとか名古屋市長であるとか、あるいは大阪府の知事、ちょっと聞きますと地域政党を立ち上げるというような方向なのです。こうなりますとオール与党化してしまって、これで果たしてチェック機能が果たせるかどうか、こういうことに私どもは疑問を持っておるわけでございます。したがって、二元代表として議会の存在があるわけですから、知事が先頭になってこういうことはよもややられないと思いますけれども、これについても一つ。  もう一つ、先ほど申し上げましたように知事は法律にも精通しておられるわけですけれども、専決処分を乱用して、どこかの市長が再選を阻まれたということなのです。だからやはり専決処分のあり方とか、今言った地域政党のあり方について、きちんとした考え方をこの場で明らかにしていただきたい、こういうぐあいにまず思っております。  関西広域連合のことでございますけれども、今話がありましたけれども、人口減少社会において、やはり交流人口を増加させなければならないという形で、その一つ、それから協調しなければならない、共生の社会をつくらなければならないという形で連携されることは、非常に私は歓迎すべきことだと思っておるわけでございます。したがって、今、新聞報道では、ここに関西広域連合議会議員のメンバーの方が2人おられますけれども、例えば権限移譲だけに動き出しているようにしか私は思えないわけです。国の出先機関だけを移譲するというような考え方が中心になるような、今話題になるような形なのですけれども、広域連合に参加した意義をここでやはり共通した意識を持って対応してもらうべきではなかろうかと思っておるわけでございます。  それとちょっと関連をいたしますけれども、実は議会のステータス、あり方について今非常に批判があるということでございますけれども、それほど議会というのは、県民にとって、あるいは市議会、町村議会ですけれども、非常に議会が身近になったということではなかろうかと思っておるわけです。したがって、私どもも二元代表制の中で一翼を担う県議会でございますので、それにこたえるような対応をしなければならないのではなかろうかと思っておりまして、実は今県議会の権能がそういった意味で問われておる時代ではなかろうかと思っております。  こういうような背景がございますので、私ども自民党の会長がここにおりますけれども、鳥取県議会において過去、議会基本条例を話題にしたことがございますが、この議会でも、やはりそういうステータスを明らかにし、二元代表制の一翼を担う議会としての立場をはっきりしようではなかろうかということを考えております。  そういうことも含めて、知事……(発言する者あり)私の質問だからいいではないか。そういう基本的な考え方を持って対応しようというぐあいに思っております。この問題について何か考えがありますれば。(発言する者あり) ◯副議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山口議員から議会制度などにつきまして何点かお尋ねをいただきました。  まず、冒頭の地方税財政のあり方については、私のほうからもいろいろと整理をして発言するようにということでございまして、私自身も全国知事会の中で幾つか役割を与えられています。一つは、地方税制度の委員会の副委員長を任命されております。また、政権公約についての副委員長も任命をされておりまして、こうした立場で、この地方税財政制度の改革について訴えかけをし、政治的な力も知事会として発揮する一翼を担ってまいりたいと思います。あわせまして一括交付金だとか、そうしたところとか、地方分権の委員会などにも入ってございますので、その辺でも物を申していきたいと思います。  次に、議会の関係でございますが、地域政党だとか、専決処分の乱用などの問題についてのお尋ねをいただきました。  民主主義のルールでございますから、選挙によって選ばれた代表者がいて、それが自由濶達な議論を展開し、そこで本当に地域のためになる、住民のためになる、主権者のためになるという結論を模索していく、これが本来のあり方だと思います。だから、そういう意味で地域政党ができるとか、それから専決処分が一定の場合に行われざるを得ないことはそれは容認されるものでもありますし、必要なことだとも思います。例えばこの地域のいろんな政治的な目的に基づいて一つの団体結社が形成される、これは憲法21条の表現の自由だとか、結社の自由にも合致するものでありまして、それ自体が否定されるものではないと思います。また、専決処分も議会を開くいとまがない場合など、一定の場合には容認されるべきものだと思います。  問題は、その運用でございまして、使い方は注意をしないと、例えばナイフであれば、それを上手に使ってナシの皮をむくこともできますが、人を刺すこともできるということでございまして、そのことをわきまえる必要があるだろうということであります。地域政党につきましては、私は、名古屋や愛知県、また大阪府のような手法は自分の主義としてはとりません。それはそれぞれに代表されるべき背景があって、政治的なバックボーンがあって出てくる議会がある。その議会に対して、議会との議論を通じて誠実に結論を導いていくことが、むしろ執行部側を任される首長の役目ではないかと思うからであります。仮に意見の対立があった場合に予算案が否決されるとか、そういうことがあって、それについて不信任とみなして解散をするとか、そういうようなチェック・アンド・バランスを働かせることはあるかもしれませんが、では、みずからリコール運動を組織して、議会の解散をやっていくことが本当に一つの民主主義のやり方としてエレガントといいますか、本来予定されているものなのかどうかというのは慎重に考えるべきものではないかと思います。みずからの意思に合致しないがために専決処分をやるとか、議会の解散を住民投票を駆使してやっていくと、そこまでする必要が本当にあるのかどうかということではないかと思います。  民主主義のルールに従っても異常なことは生まれ得るわけでありまして、第一次世界大戦が終わった後、ドイツにおいてワイマール憲法ができ、ワイマール共和国と言われるものが誕生しました。これは本当に人権に基づく民主的な制度であり国家であるとして形成をされたわけであります。しかし、民主的な議会の中で1933年の3月に授権法というものができ、そして7月には新しい政党を禁ずる法律ができてしまう、この結果としてヒトラーの独裁が始まるわけであります。民主的な手続を全部くぐっています。くぐっていますけれども、そういうようなことで、結果としては第二次世界大戦の災禍を招いた原因にもなったわけであります。こういうようなことでありますので、民主主義というのはいい面と悪い面、人類の追求した理念として正しいものであるし、今後もそれを称揚して育てていくべきものでありますが、使い方を間違うことがないようにということは、我々は注意しなければならないだろうと思います。  専決処分でいえば、与えられた権限とはいえ、地方自治法第179条、第180条に定められた範疇に従ったものになすべきであります。本県ではもちろんそういうふうにしています。その後、議会を開かないということは権限として認められるかもしれませんが、しかし議会も民意を代表している以上、招集すべきときには招集しなければならないわけであります。その後のチェック・アンド・バランスの仕組みも地方自治法の中にあるわけでありますから、私は、そうした今の民主主義のルールというものを基本的になぞっていくことで、おのずから問題は解決し得るのではないかと考えております。  次に、関西広域連合についてでございますが、これについて意義がどの辺にあるのか、権限移譲の事柄もございますがいかがなものかということであります。  我々が目指しておりますのは、県域を越えた連携が第一義であります。それとあわせて、地方分権の受け皿たらんという能力をつくり上げることが第二義的な問題ではないかと思います。  最近、全国紙がアンケート調査をとりました。その際に、連邦制の賛成意見が極端に減っておりまして、むしろリーダーシップを発揮して、地域間で連携することを求めるというようなところにアンケートの多数派が集まってきています。こういうように大分意識が変わってきたのだと思うのです。  実は鳥取県がこの4年間目指してきた方向性が、広く全国のアンケートの中でも称賛されるようになってきているのかなあと思います。これはそれぞれの自治体の意思決定なり住民参画がしっかりしている、その上でお互いに協力できることをやっていくことで広域的な意識にもこたえていこうというものであります。それをまず我々は目指すわけでありまして、鳥取県としては広域医療、それから山陰海岸ジオパークを初めとした文化観光などについて加入をさせていただくことになりました。早速、予算が組まれまして、まだ研究だとか立ち上げ段階の感はありますけれども、新年度予算をいよいよ議論することになっております。この週末には松田議員、山根議員の両議員が出席をされまして、広域連合議会が開かれて質問戦も行われることになっています。今、事前に広域連合の議会のほうで寄り合いをされまして、いろんな打ち合わせといいますか、討論を始められているそうでありますが、私が広域連合の事務局の皆さんからいつも言われるのは、鳥取県の議会の議員さんは元気ですねと。ほかの議員さんは余りしゃべらないそうでありますが、9割方は鳥取県議会議員の方が大活躍をされているというようなことでございまして、やはりこの辺が自由濶達な鳥取県議会の雰囲気が出ているのかなあというような感じがいたします。いずれにいたしましても、そういうことでありますので広域連携の実を上げるように頑張っていきたいと思いますし、それから受け皿たらんような、たり得るような、そういう地方分権の議論への参画も、広域連合を一つのてこにして進めていければと考えております。  最後に、鳥取県議会基本条例案のような、そういう法制についての認識をお尋ねをいただきました。  議会と執行部とは車の両輪でございまして、先ほど来論じさせていただきましたけれども、活発な議会、それから見識を持って民意を代表して引っ張っていただく議会と、我々執行部との相互の作用によって民主主義がいい方向に向かうべきものだと思います。その意味で、鳥取県議会は一つのいい土壌をはぐくんできた歴史があると思いますし、先ほど来の代表質問の中でも、実績として中海の問題だとか、財政の問題などを取り上げられたわけであります。そういうことをぜひともこれからも育てていただきたいと、これは県民の一人として願いたいと思います。その意味で、今、会派間でこれから議論が始まるのだと思いますが、こういう議会基本条例のような、こういう案件につきましても胸襟を開いた議論をこれからもやっていただければありがたいと思います。  これにつきましては、ほかの県でも15県ほどやっているところがございますし、県内でも3つの自治体が似たような議論をして制定している例も出てきております。ただ、これは議会のあり方の基本にかかわることでありますので、ぜひ活発な御議論をお願い申し上げたいと思います。 ◯副議長(斉木正一君)26番山口議員 ◯26番(山口享君)この議会基本条例でございますけれども、あくまで私は会派を代表して質問いたしましたので、うちの会派としての意向を、考え方を示しただけでございます。答弁は要りません。  それと、今一番問題になっておりますのがTPPでございますけれども、これは本当に今、農業問題に特化しておるような現状なのです。ですから、反対運動は農業者が中心になって、先頭に立ってやっておるような印象を与えるわけでございますけれども、このTPP、これは24の各種作業部会があるわけでございますけれども、その中で金融や投資、知的財産権とか公共事業や物品の政府調達、あるいは労働環境、あらゆるサービスの面においても関税を撤廃しようではなかろうかというようなことになってきますと、福祉でもそうでございますけれども、労働市場が本当に混乱してしまうおそれが十分あるということで、農業者ばかりの問題ではないという認識で、全容を明らかにしてもらって私は対応する必要があると思いますけれども、残念ながら農業問題だけに特化しておると、これは私は大きな問題ではないかと思いますけれども、どうでしょう。それで知事は20日に出て対応されておる、それは結構ですけれども、労働規制であるとか環境規制の調和とか、いろいろ複雑な問題があるということを、広くやはり政府も国民に明らかにして対応を求める必要があるのではなかろうかと私は思っております。  それと交流人口、定住人口の話をいたしましたけれども、私は本当に将来を憂いておる一人でございますけれども、いろいろなイベントをやられるとか、国際的な交流をされるとか、これはいいことですけれども、このジオパークもその一つになろうと思いますけれども、私の知人の医者からいただいた写真を議長の許しを得て皆さんにお配りしておりますけれども、地上で見る山陰海岸と海の中で見る山陰海岸では、また違った趣がある海岸、地形だそうです。だから、こういうものをやはり一つの観光と言えばおかしいですけれども、地質学的にもこういうものを利用すべきではないかというぐあいに私は考えておりますけれども、知事、いかがでしょう。  それともう一つ、私はリスクマネジメントとクライシスマネジメントのことについて対応を本部長にもただしましたけれども、実は県からもらった資料で、透析病院が20医療機関ありますけれども、これは普通の状態での対応しか書いてないのではなかろうかと思っておりますので、待ったなしの対応を迫られるのは腎患者ではなかろうかと思っておりますので、ああいう状態が起きたことを想定したような対応をされるべきではなかろうかと、考えられるべきではなかろうかと。ただ普通のときのパトロールカーが先導するというようなことが書いてありますけれども、これは普通の状態の体制だと思いますけれども、これについてまずお伺いしたいと思っております。 ◯副議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねてのお尋ねにお答え申し上げます。  まず、TPPについてでございますけれども、労働関係の問題などもある、全容を明らかにして真摯な議論をなすべきではないかというお尋ねでございます。  これは、さきの11月鳥取県議会での一致した議決の中でも言われておりました。議論を明らかにして、そして慎重に検討すべきだということであります。  現在、TPPについてはいろいろと議論が動いております。と申しますのも、このたびの報道で、チリの外務大臣が3月のシンガポールでの会議でTPPの取りまとめ方針というものを決めていこうという考え方を出しています。チリだとかシンガポールだとか、その辺のオリジナルメンバーの皆さんたちが中心になりまして、そこにアメリカとかが加わってくるというのが今の方向性なわけであります。近々そういうような動きが出てくるのかもしれませんが、今のところTPPの枠組みの協議に日本政府がきちんと入り切れていないように見えます。  逆に、日本とオーストラリアとの間のEPAにつきまして、2月7日から10日にかけて協議が行われました。この内容は明らかにされていません。果たしてお米を外したのかどうかとか、この辺がよくわからない。TPPもそうでありまして、その報道によってお米をどうするかというのも、むしろ分かれるぐらいの報道になっています。真相はよくわかりませんが、コアメンバーの人たちを含めてTPPの関係国でお米の生産というのは余り意味がなくて、アメリカぐらいなのではないかと思います。アメリカがのむかどうかということもありますので、そのお米が対象になるかどうかというのが揺れ動いたような報道になっているのかもしれないというふうに分析もなされているところであります。いずれにいたしましても、労働環境も含めていろんな分野で関係国協議が始まってきております。そういう全容を明らかにしながら、最終的な判断をしなければいけないと思います。その辺では十分な時間をかけた議論を国民とする必要があるのではないかというふうに感じております。  〔副議長退席、議長着席〕  次に、ジオパークにつきまして、今きれいな写真をいただきました。海から見せるというようなことで、交流人口の拡大になるのではないかというお尋ねでございます。  最近、海の中から山陰海岸を見せる、そういう動きが広がりつつありまして、例えばさとに田園クリニックさんの太田先生がそういう映像を集めておられまして、そして世の中に出されたり、また「Tottori Blue」という新しい本が出版をされました。これもアマチュアの写真家でいらっしゃいますけれども、中谷さんがつくられたということでございますが、そういうようにして、山陰海岸というのは沖縄とかに決して劣らないぐらいきれいなのだというような認識がだんだんと深まりつつあります。データ的にも沖縄の海と変わらない透明度を誇っておりまして、また、すんでいるものも非常にユニークな魚や生き物もあります。さらに今、グロットとかいろいろと言われますけれども、洞窟のような、今の写真がそうでありますが、ダイバーのあこがれの的でありますが、光が差し込む洞窟も沖合ちょっと行くとあるそうでございます。最近は若い方がIターンだとかUターンで来まして、それで「ブルーライン田後」という会社をつくられました。ここは潜水の業界でありますNAUIという団体の優秀企業ということでの受賞をされました。そういう非常にユニークな活動、力のある活動が今ようやく山陰の海岸でも根づき始めたと思います。こうしたことも交流人口をふやすきっかけになるというふうに思いますので、私どもとしても応援をしていきたいと思います。  最後に、腎患者のことにつきまして、リスクマネジメント、クライシスマネジメントに関連してお話がありました。  この点につきましては、我々のほうでも先ほど御説明を申し上げましたが、問題がないようにこのお正月のところは乗り切ることができましたけれども、その取りまとめてきているものなどの詳細などにつきまして医療政策監からお答えします。 ◯議長(小谷茂君)藤井医療政策監 ◯医療政策監(藤井秀樹君)災害時の透析医療体制について追加で御説明を申し上げたいと思います。  今回の豪雪につきましては、停電等の機関がございましたけれども、自家発電等で対応していただき、大事には至らなかったというところでございます。また、患者さんのほうで豪雪のために通院ができないという事態もございましたが、透析日を変更するとか、あるいはどうしてもの場合には救急車での対応等も行っていただきまして、大事には至らなかったというところでございます。ただ、これはそれぞれの透析医療機関個々での対応でございます。今回の事案も含めまして、全体で組織立った対応としての取り組みも必要ではないかということで、今年度中には透析を実施していただいている医療機関等の御意見も伺いながら、どのような体制をとっていく必要があるかということについて検討することとしておるところでございます。 ◯議長(小谷茂君)26番山口議員
    ◯26番(山口享君)ちょっと飛びますけれども、代表質問の中で、私、環境大学のことについて申し上げたわけでございますけれども、実は私どもが大学を出たときは国立大学ということですけれども、最近は独立行政法人化されたわけです。これはやはり市場原理を導入しなければならないと。逆に言うと管理者が責任を持って学校運営に当たらなければならないという市場原理主義と言ったらあれですけれども、こういう経営の方策を求めておるわけでございます。したがって、環境大学のことでございますけれども県立化すると、これで今検討されておりますけれども、これを生かすも殺すもと言ったら大変に失礼ですけれども、これは学長なのか経営者、今は理事長、これの能力が問われることに相なると私は思っておりますので、今までの公設民営が、マネジメントに欠けておったということは確かなのです。だから、こういうものはやはり公立化に向けての基本的な考え方にしていただきたいという県側からの要請をしていただいたと思っています。  それと、子育て王国、これは定住問題にも連動いたしますけれども、今、県がやっておられますけれども、子育てしやすいような先進県をつくろうではなかろうかという形なのですけれども、これを定住策として、やはり十分これに対応してもらいたいと思っておりますし、逆に言いますと高齢化社会を迎えて高齢化率が高いわけでございますけれども、今県内における介護施設や老人ホームなど入所したい人がかなりありますけれども、なかなか待機者が多いというような現状にありますので、ちょっとこの現状について聞かせていただきます。  もう2つさせていただきますけれども、県民の安心・安全の社会の実現でございますけれども、知事、実は先般の東京目黒区での犯罪捜査に一役を買ったのが防犯カメラであったようでございます。したがって、この設置について、私はどこが設置主体かわかりませんけれども、やはり垣根を越えたそういう犯罪対策、これを講じるべきではなかろうかと思っております。それを最後にさせてもらいたいと思っておりますけれども、もう一回、知事に対して質問いたしますけれども、今申し上げました3つの項目について答弁を求めます。 ◯議長(小谷茂君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、鳥取環境大学につきまして、その経営のあり方のお話がございました。  国立大学法人もいろんな試行錯誤をそれぞれの大学でされていますけれども、大学法人化されて経営がある程度しっかりしつつあると思います。鳥取大学の場合ですと、理事長が大学の学長を兼ねてされておられますが、そこにいろんな経営スタッフがつきます。鳥取環境大学のような公立大学法人の場合も、同じような経営の仕組みが制度上セットされております。理事長と学長といますが、これは両者を兼ねることもできます。また、重要なのは、それを補佐するような経営審議機関の存在でございまして、私は、これは鳥取市といろいろ協議していかなければならないと思いますが、民間の感覚が十分入るような、そういう経営感覚を大学に投入できるような、そういう経営審議機関を整備をしていく必要があるだろうというふうに考えております。いずれにいたしましても、これが死命を制するという山口議員のお言葉のとおりだと思いますので、しっかりとした検討をして、最後、仕上げをしていく必要があると考えております。  2点目としては、子育て先進県としてのことでございますけれども、県外からの移住定住などの関係もあるというお話でございます。  これもおっしゃるとおりだと思います。やはりそこに住んでみようということになる、しかも家族を連れて住んでみようということになりますと、子育て環境、育児のことだとか、それから教育のことだとか、やはり子供が最優先というのが日本の家族のあり方でありますので、そこを抜きにしては語れないと思います。逆に言えば、そこに魅力があるのであれば住んでみようかということにもなるわけであります。現実問題、鳥取県内では保育所にすぐに入れるというのは、引っ越してこられた方にとっては大変にうれしいことだそうでありまして、そういうような体制を我々としても売りにしていけるのではないかと思います。  最近は、智頭のほうで「森のようちえん」という新しい取り組みをしています。こうした考え方に共鳴をして、いろんなところから視察に来たり、それから県境を越えたところでも交流のようにして、そっちのほうに就園してくるという人も出てきているわけでございます。このようなことを考えますと、私どもでも子育て王国鳥取県の建国をしっかりとやっていきたいと思います。  昨年も赤ちゃんサミットを境港でやるとかございましたし、鳥取市内でもComodoという施設をつくってみるとか、いろんな地域性のある動きが出てきております。県としても子育て応援パスポートを創設しましたが、今では関西でも使えるようになったり、使い勝手もよくなってきているところでございます。新年度は特別医療費助成を中学校まで広げることで、全国に冠たる仕組みになるかと思います。そうしたいろんな手がかりをつくりながら、子育て王国とっとりを全国へアピールをしていきたいと思います。 ◯議長(小谷茂君)佐藤警察本部長 ◯警察本部長(佐藤幸一郎君)防犯カメラの設置に関しまして、本県での取り組みの現状ということでございますが、防犯カメラにつきましては、犯罪を予防し、被害を未然に防ぐとともに、犯罪の発生時には犯罪を速やかに認知いたしまして、犯人の追跡や被害者の保護などに大変有用であると認識をしているところでございます。  全国的にも防犯カメラの録画画像の解析等から、殺人事件や強盗殺人事件、女子高校生に対するつきまとい事案等の検挙にもつながった事例が見られるように、防犯カメラに記録された画像につきましては、事後の捜査においても犯罪事実の認定や犯人の特定はもとより、証拠として利用し得るものでございます。犯行現場やその周辺の防犯カメラに撮影された画像の入手、解析というものは極めて有効な捜査の手段でございます。このように犯罪を予防し、県民の方々が安心して暮らせる地域社会を実現する上で、防犯カメラというものにつきましての設置拡充を図ることは大変有効な施策であると考えているところでございます。  なお、平成20年6月に公布、施行されました本県の鳥取県犯罪のないまちづくり推進条例の第9条に基づき策定された鳥取県犯罪のないまちづくり推進計画、こちらでも犯罪が多発する公共空間においては防犯カメラの設置も検討するということで記載されております。  こうした県の施策というものを踏まえまして、県警察といたしましては警察署ごとに設置をされております民間の方々で構成されました警察署協議会や地域防犯ボランティア団体、こういうものと連携をして、自治体や商店街などの民間事業者への防犯カメラの設置というものを働きかけているところであります。また、公益法人であります県の防犯連合会や各警察署単位に住民やボランティア団体で結成されている地区防犯協議会というのがございますが、こちらにおいても防犯カメラの設置費用等の一部を負担されているということでございます。一方、民間事業者においても、犯罪を未然に防止するため、防犯カメラの設置に取り組まれているところでありまして、こうした官民の取り組みの結果といたしまして、米子の東山公園、境港市の水木しげるロード及び商店街等の公共空間や駅や空港などの公共的施設に設置された防犯カメラ、現時点でございますが、県内は12カ所、78台と承知をしているところであります。  今後とも県警察といたしましては犯罪の起きにくい社会づくりということで、その実現に向けて県や市町村、コンビニエンスストア、マンション等民間事業者に対しまして、防犯カメラの設置と運用管理についての必要な技術支援、財政支援の働きかけを行いまして、その設置、拡充に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◯議長(小谷茂君)26番山口議員 ◯26番(山口享君)知事、私が質問するのを忘れておりましたけれども、待機児童のことについて今話がありましたけれども、一方の介護施設や老人ホームに対して、待機者が非常に多いのではないかということでございますので、これについても、定住人口と言ったら大変失礼ですけれども、住みやすい環境づくりという意味においても、どういう現状になっているのか、どう対応されるのかということをお知らせください。  もう一つ、教育長、私は理科離れの話をしましたけれども、実はせんだって伊藤議員といろいろ話し合ったのですけれども、私どもの時代でございますけれども、まず小学校5~6年で真空管のラジオをつくって、その喜びを感じた。発電機もつくった。物を創造する、実験をする、これで理科に対する興味がわいたということです。  それから詰め込み教育の話がございましたけれども、私どもが大学に入ったころは、日本の理科教育というのは非常におくれておったわけです。それで授業はみんなドイツ語ではなくして英語なのです。英語を勉強してアメリカに学ばなければならない時代だったのです。原書を買うのも容易でない。実は海賊版で満たしたわけです。試験問題もみんな英語です。そういう詰め込み教育の中で育った。ノーベル賞を受賞された2人でございますけれども、本当に私はそういった意味において、語学力もそうですし、基礎学力もそうですし、学ぶ喜び、理解する喜び、こういう時代に育ったと思いますけれども、今後、本当に若い者がどういう形で理科に興味を持つかということが大切だと思っておりますので、これに対して何か考えがあればお尋ねします。  さて最後でございますけれども、知事、上手な言葉は言いませんけれども、私の書いた本の中で人物論について、まず、他人の経験、才覚に学ぶ姿勢がなければならない、目的を成就するための気骨がなければいけない、余事に惑わされない強い信念を持たねばならない、条理を尽くした説得力がなければいけない、それから住民との対話と信頼関係の構築、広い視野と知識、それから国際感覚、先見性も必要であると、そういうものが備わって初めて指導者だと、こういうぐあいに書いております。  そして、さらに政治家として行動力、指導力、前進する気迫、クリーンさが評価されます。知事、あなたは100点でしょう。そういうことを期待して皆さんが2期目に対して支持しているのではなかろうかと思っておりますので、これに対して何かあればですけれども、一つだけ施設のことをお話しいただきたいと思っております。 ◯議長(小谷茂君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)まず人口減少社会に関連しまして、介護施設や老人ホームなどの高齢者を対象とした施設の待機者の現状や解消策についてでございますが、これにつきましては確かに議員の御賢察のとおり残念ながら今待機者がふえてきております。22年4月1日現在では869名の待機者がいらっしゃいます。これは前年に比べまして300名程度ふえております。こういうこともありまして、県としては地元の自治体と調整しなければなりませんが、地元の自治体とも調整をして70人東部では特養をふやさせていただく異例の対応をとらさせていただきました。また、県内全体において、地域密着型のサービスを提供するということで、その待機者の解消に充てていこうということにさせていただきました。ただ、それでも200数十名どうしても解消できないということでございます。  こういう中でありまして、平成24年度から26年度にかけましての新しい期間で介護保険の関係の計画をつくり直すことになります。新年度がその協議の時間になります。市町村ともよく相談をさせていただいて、議員の御指摘のような問題意識にこたえられるような枠組みをつくっていきたいと思います。また、福祉の事業者によりましては、例えば都会地と連携して、都会地のほうでの余りにも狭き門のところを委託してやるとかいうことができないだろうかというような話も出始めておりまして、いわばシルバーパラダイスとでも言うべき鳥取県のライフスタイルのあり方を目指していければいいかなというふうに考えております。  続きまして、非常に身に余るお言葉をいただきましたが、気骨とか、信念とか、知識だとか、行動力だとか、そうしたさまざまな要素についての期待のお言葉をいただきました。私自身は至らぬ者だと自覚をいたしておりまして、だからこそ奮闘努力しなければいけないものだと思っています。  今、確かに不透明な時代です。これは政治の世界のことだけでなくて、日ごろ暮らす上でも、あるいは職業を探すとか、いろんな局面で不透明感を覚えているわけであります。その意味で、被害者意識を持ちがちではありますけれども、ハイネもこういうふうに言っているわけであります。「どの時代にもそれぞれの課題がある」と、「それを解くことで人類は進歩をする」というふうに言っています。いわば人類といいますか、この社会を前へ一歩進めるための捨て石として自分が働ければそれでいいのではないかというふうに思っています。ただ、まだまだ学ぶべきことも多いわけでございまして、いろんな県民の皆さんの御意見だとか、議会の皆さんのさまざまな御見識をいただいて、みんなの力で未来を開いていきたいと思いますし、あるいは私自身も今のお言葉に沿えるように、一つずつでも成長してまいりたいというふうに考えております。「あす死ぬかのように生きよ、そして永遠に生きるがごとく学べ」、マハトマ・ガンジーがこういう言葉を残しております。そういうことをモットーにして、自分自身も成長しようと努め、そして精いっぱいこの身を鳥取県にささげてまいりたいと考えております。 ◯議長(小谷茂君)横濱教育長 ◯教育長(横濱純一君)山口議員の質問にお答えいたします。  理科等にどのように興味を持たせていくのかというお話だと思いますけれども、確かに私の小学校のころも模型をつくったり、それから特に理科など、モーターでエナメル線をいかにきれいに巻くかというようなことを競ったりしたものでありますけれども、なかなか今はそういう機会がなくなっているかもしれません。ただ、御紹介しましたように、学習指導要領が変わりまして、例えば小学校3年生でしたら、風やゴムで動くおもちゃをつくったりとか、あるいはピンホールカメラをつくってみようとか、あるいは手づくりモーター、あるいはスピーカーをつくろうというようなことも授業の中に入ってきているようでありますので、少しずつもとの状況に戻ってきているのではないかというふうに思っています。  ただ、私が心配しておりますのは、国民といいますか、日本の特徴として科学する心を持つ人が少ないというようなことを申し上げましたけれども、例えば私のころにあった科学雑誌が今ではもうなくなったりとか、一時期ブームのように出てきた雑誌も今はないとか、非常に科学的な書籍あるいは雑誌の需要も低くて廃刊に追い込まれているというようなことがあるようです。ただ、一つうれしいのは、「世界一受けたい授業」とか、ああいう番組の視聴率が高いようでありまして、子供たちがそういうことを通して興味を持っていく、そういう環境も出てきておりますので、それは喜ばしいというふうに思っております。特に今度19日には環境大学の小林朋道先生が御出演なさるということで、先日、高校の校長会を開催しましたけれども、子供たち、生徒たちにそういう番組を見るように勧めてくださいということもお願いいたしました。学校の授業もそうですけれども、そういう環境をうまく使いながら刺激の場を与えていく、あるいは関心を持つ場を与えていく、そういうことも大事だというふうに思っております。 ◯議長(小谷茂君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時36分散会    ────────────────...